限界とは自分が勝手に作り上げたものである

オランダにあるマーストリヒト大学のキャロリン・マーティンは、53人の大学一年生にハンドグリップを我慢の限界まで握り続けてもらう実験をしました。

それから2つのグループに分かれてもらい、ひとつのグループにだけ、「精神力は無限」ということを教えました。「精神的な疲れは、身体的な疲れとは違って、休憩なんていらないという科学的な研究があるのです」ということを教えたのです。

それからもう一度ハンドグリップを握ってもらうと、「精神的な疲れなんてない」と教えられたグループでは、そういうことを教えてもらわなかったグループより長くハンドグリップを握っていられることがわかりました。

もし人間に限界があるとしたら、それは自分が勝手に作り上げた限界であるにすぎません。そんなものはないのだと思っていれば、私たちはやすやすと限界突破できるものです。

自分ではここまでしかできないと思っていることでも、たまたまそれ以上のことをやってみると、意外にすんなり壁を越えてしまうこともあります。

「絶対にムリ」と思っているからムリなのであって、そんなことを考えなければ、私たちに限界などありません。

直感で動いてもOK

いくら考えても正解がわからないことはよくあります。

もし考えに考えぬくことで正解にたどり着けるのならよいのですが、人生においては考えてもわからないことはいくらでもあります。

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もし「どんなに考えても答えなんてわからない」と思ったら、考える時間がもったいないので、さっさと直感で行動してしまいましょう。「直感で動く」というと、何やら危なっかしいように思われるかもしれませんが、そんなこともありません。私たちの直感は、かなりの優れものなのです。

イギリスにあるオープン大学のマーク・フェントン=オクリーヴィは、6つの投資銀行の一流トレーダーについて調査したことがあるのですが、一流のトレーダーほど自分の直感を信じて行動していることがわかりました。「なんとなくこちらが正しいように感じる」という自分の直感を信じるからこそ、素早く決断、実行ができるのです。

どの株を買ったらよいのかは、熟慮してもどうせわかりません。完全に計算でうまくいくのならよいのですが、そういうケースはあまりありません。

これは金融業界だけに限った話ではありません。