青魚を食べると心血管疾患のリスクが低下する

次に、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)についてその効果を解説します。オメガ3脂肪酸摂取が健康機能にいいといわれるようになったきっかけは、イヌイットの疫学調査に由来します。

イヌイットは主に海獣やイワシ類などの魚肉をよく食べ、ほとんど野菜は食べないにもかかわらず、心筋梗塞による死亡率が極端に低く、その比率はデンマーク人の10分の1にも満たないそうです。その後の各種研究によりDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸には心血管疾患を低減する効果が実証されています。

ある疫学研究によると、オメガ3脂肪酸の多い魚、およびオメガ3脂肪酸を多く摂取するグループは肝がん発生リスクが低くなっています。魚を食べても大腸がんの発症リスクは下がりませんが、魚由来のオメガ3脂肪酸およびオメガ3脂肪酸を多く摂取しているグループは結腸がんのリスクが低下していたそうです。

その他、血中中性脂肪低下作用、血圧改善作用、関節リウマチ症状緩和効果、乳児の成育、行動・視覚発達補助効果、うつ症状緩和効果などが知られています。

イソフラボンは安全性に問題はないのか

次に、大豆に多く含まれているイソフラボンについて解説します。最近、イソフラボン含有化粧品が市場に多く出回っていますので、イソフラボンという名前をご存じの方も多いのではないでしょうか?

大豆に含まれるのはダイゼイン、ゲニステインといったイソフラボンですが、これらイソフラボンが注目されたのは、女性ホルモン様作用からです。ミロエステロールという成分も、女性ホルモンと同じような構造で類似な作用があり、摂取の仕方次第では安全性に問題があります。

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しかし、イソフラボンは作用に近いところはあっても、それほど構造の類似性は強くなく、女性ホルモン作用も副作用が出るほど強くはありません。このため、イソフラボンは機能性食品としてさまざまな効果を示し多用されています。

イソフラボンに効果があることは、私自身実験で経験しています。大豆抽出物をマウスに食べさせ、マウスの背中の毛を剃ったところ、大豆を食べさせていないマウスに比べ、大豆を食べさせたマウスはすぐに毛が生えてきました。女性ホルモンには、男性の薄毛を解消する効果があります。

同じように、イソフラボンにも薄毛を解消する効果があることが目に見えて確認できました。このように、イソフラボンは確かに有効性が期待できる成分といえそうです。さて、いくつかの例で、機能性食品成分の一部は確かに効果を持つことがご理解いただけたと思います。

【まとめ】
機能性表示食品制度において問題が起きても、国は責任を負わない
トクホの有効性は信じてもいい
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