時間は金より何倍もケチって使え
そして、仕事ができるかどうかの判断基準は、仕事が速いかどうか。
一定以上のクオリティーはキープしたまま、とにかく回転率を上げなければ「仕事のできないやつ」と判断されます。そうなると、もう二度と仕事はもらえません。
しかも、成果が出るまで1年も2年も待ってくれるような悠長な上司はおらず、自分の給料の3倍くらいは結果を出さないと、すぐにクビです。そのため、私は時間をそれまで以上に意識し、働くようにしました。それこそ危機感です。
ですが、危機感の中で仕事をしていたおかげで、何とかクビにされることなく済みました。事務所にいたのは約2年間でしたが、やる気と集中力を磨くには、時間が大きなポイントになると確信した職場でした。
使い古された言い方ですが、時間は買えません。
昔から「時は金なり」と言いますが、お金は結局、自分が時間を何にどう使ったか、その結果なのです。その意味で、時間はお金以上に価値のあるものだと私は思います。
まずはそのことを身をもって“実感”しましょう。
お金の使い方、お金の本質を知らないと投資ができないように、時間の使い方がわかっていなければ自己投資で結果を出すことなどできません。
資格勉強の限界は2年
私は現在もコンスタントに資格取得を目指して勉強しているのですが、資格を取ろうと思ったときは、必ず「2年以内で取得する」と決めています。
ある目標に向かって取り組んでいくには、それくらいが限界だと思うからです。モチベーションや集中力はそんなに続くものではありません。
経験上、資格勉強の場合、限界は2年なのです。それを過ぎると当初のやる気も失せ、勉強も単なるルーティンワークになりがちです。
「目標を達成してやる」という気持ちを最大限活かすには、短期決戦に限ります。
アメリカの公認会計士事務所で働いていたときのことになりますが、私はどうにもアメリカの環境で働き続けるというのは厳しいなぁと思いはじめていました。
というのも、私の取得していた「専門職ビザ」の期限は3年です。1回は更新できますが、それでも最長6年。あとは永住権を獲得しなくてはならず、できなければ帰国して日本での働き口を探さなければなりません。
うっすらと帰国後のキャリアについて考えていた頃のこと。ある折、私は法律に興味を持つようになったのです。
当時の業務はアメリカに進出してくる日本企業を対象にした税務コンサルティングだったので、どうしても税法に触れる機会が多くなりました。
また、その関係で事務所の研修としてロー・スクールにも通っていて、そこでは税法に関するさまざまな判例が取り上げられていました。この講義が非常に面白かったということもあり、新たな欲がわいたのです。それは、「法律をもっと勉強したい」というものでした。