生成AI時代を牽引するもの

この4社の関係を見るとわかるように、グーグル+アンソロピック対マイクロソフト+オープンAIという図式が見えてきます。今後の生成AIを牽引していくGOMAとは、グーグルとマイクロソフト、またはオープンAIとアンソロピックという2連合の対立ともいえるわけです。

田中道昭『生成AI時代 あなたの価値が上がる仕事』(青春新書インテリジェンス)

なぜ2つに収斂しゅうれんしていくのか? 生成AIの開発・運営は、「目玉が飛び出るほど高くつく」(サム・アルトマン)からです。たとえば、チャットGPTの運用は、1日70万ドル(約1億円)の費用がかかるとまでいわれています。グーグルのバードでも、検索の10倍のコストがかかると試算されています。

これらの費用をまかない、しかも利益を出していくのは、現在のビッグテック以外では不可能でしょう。しかも生成AIが、どの程度の利益に結びつくのか、いまはまだ不透明です。

GAFAMからGOMAへと、ビッグテックの構成も変革しつつありますが、それでもやはり生成AI時代を牽引するのは、ビッグテック以外にはないでしょう。生成AIの登場は、ビッグテックもテック業界も、さらにビジネス界をも、急激に、そして大きく変えようとしているのです。

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