日展、読売新聞社から具体的な回答は得られず
この言葉は今も、書道界や日展に突き付けられていると思います。2年後に迫る書道のユネスコ無形文化遺産登録までに、書道界の旧弊を刷新する必要があります。機会均等と公正公平が求められているのです。
日展は、公正公明さを社会にアピールし、疑念を持たれないようにするべきでしょう。日展の会員、審査員を経験した人物が日本芸術院会員、文化功労者、文化勲章の栄誉を受けるケースが多いですが、日展の審査がグレーであれば、日本芸術院会員、文化功労者、文化勲章の叙勲や選考にも疑念を抱かざるを得ません。
日展や、読売書法会を運営する読売新聞社は、書道界の現状をどのように捉えているのか、当事者の見解を聞いてみました。
【日展、読売書法会への質問と回答全文はこちらから】
しかし、日展は「私共が回答するに適さない」、読売新聞社も「コメントする立場にありません」などとして、質問項目に具体的に答えていただけませんでした。
日展事務局の回答では、不正をチェックするために「毎年審査員が選任された時は、外部審査員を含めて『日展審査員行動基準(ガイドライン)』に宣誓していただくなどの方法を講じており」とあります。このガイドラインは、日展の不正審査疑惑が明らかになった1年半後の2015年5月の定時総会で決議されたものですが、日展のホームページには、その内容が記載されていません。
再度、日展事務局に確認すると、「日本美術展覧会における『日展審査員行動基準(ガイドライン)』は、公開しておりません」とのことでした(一部の美術系新聞などで報道されており、内容は画像1を参照)。