また不正審査があった場合、どう責任を取るのか
日展審査員行動基準(ガイドライン)では「審査員は、その社会的責任を自覚し、自らの良心と芸術的信念に基づき、公正かつ公平に鑑審査にあたるものとする」と謳われていますが、公正公平でなかった場合の罰則規定はありません。
日展事務局から「鑑審査での違反については、日展定款第9条及び日展規則第19条により、処分がされることになります」との回答がありましたが、日展定款第9条は以下のようになっています。
会員が次の各号のいずれかに該当するときは、総会の決議によって当該会員を除名することができる。
(1)この定款その他の規則に違反したとき。
(2)この法人の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為をしたとき。
(3)その他除名すべき正当な事由があるとき。
(1)この定款その他の規則に違反したとき。
(2)この法人の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為をしたとき。
(3)その他除名すべき正当な事由があるとき。
日展規則第19条の7に「本条における違反を発見したときは、審査員については、審査員を解任し、以後、理事会の決議により審査員に選任しないことができる」となっていますが、本条とは「審査員は、鑑審査の経過を洩らしてはならない」という行為です。
鑑審査の経過を漏らしたら解任するが、「審査員は、鑑審査で不正をしたら審査員を解任する」という規則はなく、日展規則で「解任」という言葉は「第19条」以外では使われていません。
日展事務局の「展覧会終了後には諮問委員会で検証するなどにより公正さの確保に努めております」という回答に対しても、「諮問委員会」とはどのようなものかを再度、確認しました。回答は以下の通りです。
日展では、理事会の諮問に答える委員会として、外部有識者を含む諮問委員会を設置しており、毎年度、展覧会終了後に開催し、本法人の諮問機関として日展各科の応募状況、鑑審査結果、今後の課題と対応策等、検証及び審議を行っております。
さらに確認すると、「これまで諮問委員会で、鑑審査での不正を指摘したケースはなく、不正の報告を受けたこともありません」という回答でした。