だれもが笑顔になれる3つの話題

私は、お店や散歩の途中など、“犬”か“赤ちゃん”を連れている人がいたら、ほぼ声をかけます。なぜなら、話しかけやすく、にっこり微笑んで応えてくれるから。

先日もマンションのロビーで「きれいなワンちゃんですね。いま何歳ですか?」と声をかけた瞬間、その犬が盲導犬であることに気づきました。「3歳なんですよ」「まあ、若い。それに、賢い。まったく動じないもの」「そうなんです。あ、エレベーターのボタン、押してもらっていいですか?」「もちろん」……と会話が続き、顔見知りに。見かけるたびに私のほうから声をかけて、スモールトークをしています。

犬を飼っている人同士、ママ・パパ同士は仲良くなりやすいものですが、自分には犬も赤ちゃんもいなくても、言葉を交わし合うだけで、ほっこりした気分になります。

「ワンちゃん、なんていう種類ですか?」「トイプードルって人懐っこいですよね」「男の子? 女の子?」「赤ちゃん、何カ月ですか?」「まぁ、お目々が大きい。元気に育ってね」などと話しかけるほうも目尻が下がってきます。

写真=iStock.com/Ivan Pantic
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ただし、赤ちゃんを連れたママや、犬を散歩させている女性や子どもに、男性が話しかけると、世の中にはいろんな人がいるので、冷たい反応をされることもあるかもしれません。

男性の場合は無理をせず、釣りをしている人に「なにが釣れますか?」、一眼レフのカメラで風景を撮影している人に「そのカメラだときれいに撮れそうですね」、スポーツグッズを身につけている人に「もしかして○○のファンですか?」など、趣味が似ていそうな人に軽く話しかけてみてはいかがでしょう。

自分が愛するものに興味をもってくれるのは、だれでも嬉しいもの。会話が1、2往復で終わることもあれば、なかには饒舌じょうぜつに説明してくれる人もいます。

これらも前項で書いた「三角話法」。趣味でも芸能人でもYouTubeの動画でも、相手が好きな“第三のこと”をきっかけに打ち解け、「見知らぬ人」でなくなるから、場が和らぐのです。

「答えやすい質問」は自分も相手もラクになる

相手と会話が弾むかどうかは、「いい質問」次第といっても過言ではありません。

「いい質問」とは相手が答えやすい、または答えたくなる質問。会話はキャッチボール。取りやすいボールを投げて、ラリーを楽しく続けることが大切なのです。

あいさつや当たり障りのない話から入って、いい感触なら相手自身についても質問してみるといいでしょう。

よくない例は、相手のことを知りたいからといって「お仕事は?」「ご出身は?」「ご趣味は?」と矢継ぎ早に質問すること。一方的に尋問されている印象になります。

また、「お仕事はどうですか」など、ざっくりした質問も答えにくいものです。

相手が迷わずに答えられる質問をするために、「クローズドクエスチョン」「オープンクエスチョン」の性質を知って使い分けると、質問の質がぐっと上がります。

「クローズドクエスチョン」は、「夏休みはとりました?」→「はい」や、「犬と猫、どちらが好き?」→「猫です」などYESかNO、または選択で回答する質問。初対面でも素早く簡単に答えられるものの、想定外の回答は得られず、深掘りもできません。

「オープンクエスチョン」は「旅行はどこに行かれます?」「どうやってチケットを手に入れました?」など相手が自由に答える質問。

おもに「5W1H」=「when(いつ)、where(どこで)、who(だれ)、what(なに)、why(なぜ)、how(どんな)」で聞き、話を展開、深掘りしやすいものの、質問によっては答えにくいことも。

会話の糸口をつかむには「クローズドクエスチョン→オープンクエスチョン」の流れがスムーズ。たとえば「本をお持ちですけど、読書がお好きなんですか」から始めて、「どんなジャンルの本?」「好きな作家は?」「どんな魅力?」など展開できるはず。

相手の答えを受けて「それはいいですね」「面白そう」「素敵」など感想を加えるのも忘れずに。相手が話し上手ならオープンクエスチョン、話し下手ならクローズドクエスチョンを多めにするなど、相手の性格に合わせて使い分けるのも有効です。