シャワーが勝手に止まらない
サウナについては次回で紹介することにし、まずは大浴場のこだわりを聞いてみた。
「大浴場の設えは和風が基調です。内湯、露天風呂、サウナ、水風呂が基本構成で、浴槽の種類は岩風呂、檜風呂、壺風呂があります。また荷物を預けるロッカーは基本的には正方形。一部の施設では縦長もありますが、これは日帰り入浴客にも対応した結果です」(平山さん)
多くの施設では、建物の最上階に大浴場が設置されている。
「最上階への設置は建築費などコストアップにつながりますが、開放感もあり、外気浴の提供も可能ですから“癒やし”の視点でも重視します。『天然温泉』『最上階の大浴場』はドーミーインの特徴として認知されており、可能な限りこだわりたいです」(同)
今回、取材したのは「ドーミーイン池袋」(東京都豊島区)だ。駅近ではなくJR池袋駅から徒歩約10分の立地だが、“天然温泉 豊穣の湯”を掲げ、最上階の15階に露天風呂付き大浴場とサウナを備える。和風の造り、浴場内のこだわりは説明で聞いた通りだ。
実際に利用すると、細かい配慮にも気づく。たとえばシャワーはレバーを戻さない限りお湯が出続ける。シャワーヘッドは高い洗浄力と節水機能を持ち併せ高機能と評判の「ReFa」製だ。
「頭髪を洗っている時に止まると小さなストレスを感じると思います。自動停止に比べて水道代はかかりますが、これも快適性を重視した結果です」(同)
ドーミーイン池袋の独自サービスが、浴場内に「ポカリスエット」があること。備え付けの紙コップに自分で入れて好きなだけ飲める。発汗した後の身体に心地よい。(※ 2月8日以降は、ポカリスウェットの提供から脱衣所でのドリンクサーバー設置に変更。ポカリスウェット、リアルゴールドなど選べるように。)
いつでも大浴場が使える
長時間の営業も持ち味だ。多くの施設で「15時~翌日10時」(サウナのみ深夜1時~5時は停止)となっている。以前、仕事仲間と競合ホテルの大浴場付き施設に宿泊したことがあるが、23時頃に営業終了となり、酒好きの相手は酒場巡りで利用できなかったという。ドーミーインならホテル帰着が深夜でも利用でき、朝風呂も楽しむこともできる。
「長時間ご利用いただけるのは喜ばれますが、サウナは設備点検とお客さまの安全性から深夜は止めさせていただいています」(平山さん)
無料でアイスや乳酸菌飲料を提供しているのも人気だ。従業員がアイデアを出し、採用された結果だという。池袋では、エレベーターを降りると真っ先にアイス置き場に行くお客もいた。
多くの施設では、ご宿泊のお客様に大浴場をご利用して頂きたく各部屋にシャワー室のみ設置している。大浴場利用者が多く、部屋のシャワーを使わないままチェックアウトする宿泊客も多い。