全国展開するビジネスホテル「ドーミーイン」の魅力にとりつかれた人たちがいる。ニュースサイト「ワニブックスNewsCrunch」のスタッフらは、非公認ガイドブック『Have a nice ドーミーイン 「一泊すると住みたくなる」最高のビジネスホテル』(ワニブックスPLUS新書)を出した。異色の書籍に詰め込まれた偏愛ぶりを紹介する――。(第1回)
2021年2月にオープンした『天然温泉 浪漫湯(ろまんゆ) ドーミーイン神戸元町』の最上階に設けられた天然温泉大浴場
写真=PR TIMES/共立メンテナンス
2021年2月にオープンした『天然温泉 浪漫湯ろまんゆ ドーミーイン神戸元町』の最上階に設けられた天然温泉大浴場

ヘビー出張族のホテル選び

最初にあらためて断っておきたいのは、『Have a niceドーミーイン 「一泊すると住みたくなる」最高のビジネスホテル』に携わっているチームのメンバーは決してホテル評論家やホテル研究家、ましてや旅に特化したライター、カメラマン、ジャーナリストではない、ということである。その顔ぶれは「ワニブックスNewsCrunch」というニュースサイトに集うフリーのスタッフ、そしてワニブックスの社員たちだ。

ただ、どのメンバーも仕事柄、出張や地方取材が多く、コロナ禍になるまえは、毎月、いや、毎週のように日本のどこかに飛んでいた。つまり、必要に迫られて、毎週、ホテル探しに躍起になってきた面々なのである。

極論すれば、高いお金を払えば、いいホテルには泊まれる。

実際、プライベートで旅行する時には、ちょっと奮発してリゾートホテルに泊まることもあるし、たまの贅沢として都会のラグジュアリーホテルで休日を優雅に過ごす時だってある。あるいはちょっとリッチな気分を味わいたくて、老舗しにせ高級ホテルのブレックファーストを味わうこともある。高いお金を出して、非日常空間を味わうというのもホテルライフの楽しみ方のひとつだ。

しかし、それができるのも自分のお財布だから。出張で地方に泊まる際には、当然のことながら、会社のお金……すなわち経費での支払いになる。つまり、あらかじめ上限が決められてしまっているのだ。その範囲内でホテルを選ばなくてはいけないから、最初から選択肢がかなり狭まってしまう。