外資を狙うならTOEIC800点

【製造】新卒採用に関しては、ある程度TOEICの点数で評価するしかない。英語ができる社員を面接官にして確認する余裕もないからね。うちは11年からグローバルビジネスを担っていく人材として新卒採用枠を設けている。できれはTOEICの点数が800点以上はほしいが、高くなくても、日本人で海外の大学に留学したとか、幼少時代から海外に住んでいた、あるいは日本の大学で留学生の受入係をやっていたという経験を聞いて選考している。できればそういう学生を全体の4割近く採りたい。

【電機】うちは積極的に外国人を採用している。TOEICの点数を気にすることなく、アジアから何人、北米から何人というように事業戦略に応じて採用している。日本で一定の経験を積ませた後に、現地に派遣していく。中国やシンガポールの技術系の優秀な学生は外資との取り合いになっている。

【通信】最近は履歴書にTOEICの点数を書いてくる学生が増えている。それはそれで結構だが、点数だけで海外の留学経験がない学生は評価していない。大学卒業後、語学の専門学校に通い、1カ月程度の留学経験しかない学生も同じだ。たとえば早稲田大を出て、シンガポールや中国の一流大学のMBAを取得した学生がいるが、異文化体験から言えば申し分がない。そういう学生がほしいね。

【外資】うちは新卒・中途に限らず、英語が本当に必要な仕事や部署はできる人しか採用しない。もちろん、TOEICの点数は当てにしない。あえてアドバイスするならTOEICが800点以上なければ、履歴書に書かないほうがいい。それ以下だと、外資に中途で入社する場合、印象が悪い。800点以上なら面接してみる気になるが、600点しかなければ、英語はできないと考える。間違っても650点なんて絶対に書かないことだ。逆に600点でも自信があれば「I have a good command of English」と書いたほうがまだましだ。

【電機】海外部門で中途採用する場合は、当然、海外での駐在経験を聞くことになるから、英語ができるのは当然であり、それ以上に実務能力を重視する。

【外資】ただ、面接で英語力をチェックするにしても外国人にやらせると危ない。実際に部下の外国人に面接をさせたら、相手に話をさせないで、自分だけが一方的にしゃべる人が多い(笑)。だから、事前に念を押さないと任せられない。面接した外国人が彼、彼女は英語がうまいですと言っている場合は意外と当てにならない。

(宇佐見利明=撮影)
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