仕事ができない英語バカは出世できない
【電機】マネジャークラスになると、海外の生産拠点や販売部門にどんどん出すようにしている。とくにアジアマーケットはこれから最大の稼ぎ頭になる。マーケットニーズを探るにも英語は必要になるし、上司がアジア人というのも珍しくない。ある程度英語ができないと出世できなくなるのは間違いない。
【外資】英語力がないと上にいくほどリスクが高まることになる。突然上司が外国人になり、40歳を過ぎて英語の環境に置かれることもありえないことではない。英語ができなくても定年まではなんとか大丈夫だろうと思う人も多いかもしれないが、もし外国人が上司になったらそれでアウトだ。クビにはならないまでも、昇進の道は閉ざされる。
【IT】うちは海外経験のある役員が半分を超える。それでも役員会議は日本語だ。オリンパスのように突然、外国人の社長になると、英語ができない役員や幹部クラスは極めて不利になるだろうね。
【製造】うちは課長の昇格の要件に英語力を課していないが、それでも部長クラスにはTOEICの点数が730点以上あることが望ましいと言っている。それくらいは目指してほしいし、英語力を引き上げるためのプログラムを用意し、受講させている。その期間は全員、通勤中の電車の中や昼休みを使って必死に英語を勉強している。
【電機】うちは課長の昇格要件にTOEICで700点以上あることを課している。本当は点数ではなく、実際に使えるかどうかを条件とすべきだが、それを測る客観的基準がないための代替措置。試験は慣れがあり、それに慣れた人は当然点数が高くなる。逆に実際の実務で英語をバリバリ話していても試験になると低い点数になる人もいる。700点というのはあくまで目安であり、点数が低い人を救うという意味もある。
【通信】結構、外国人とやり合っているのに600点ぐらいしかない社員がいる。何でこんなに低いのかなと思う人はいる。
【IT】試験慣れしていないこともあるだろうが、限られた仕事で使う単語しか知らないこともある。語彙力がないと、どうしても試験の点数は低くなるよ。
【外資】英語力の指標としてTOEICのスコアがもてはやされているけど、それだけで英語力を測るのは難しい。求人広告にもTOEIC700点とか出ているが、現実に外国人の同僚に聞くと、本当に英語ができる人というのは点数では表せないというのが一致した意見だ。彼らは英語力のある人を「good command of English」と言う。つまり、実際に英語を使える人だ。だから英語力は面接でやりとりして使えるかどうかを確認するしかないと言っている。
【電機】実際に点数なんて当てにはならないよ。海外に10年駐在した経験があるが、当初はTOEICが900点だったから自信を持って赴任した。しかし、言いたいことも言えずに2年間は相当苦労した。それに点数をクリアしても課長になれるわけではない。与えられた職務・役割をクリアし、期待以上の力を発揮したかどうかなど総合的に評価される。
【IT】あくまでも英語はビジネスの手段にすぎない。どんなに流暢に話ができても仕事ができなければ意味がない。英語がうまくても仕事ができない英語バカは出世できない。
【外資】それは外資も同じだ。英語ができる人は外資で出世できるというイメージがあるかもしれないが、うちには仕事ができないで英語だけできる人はまずいない。営業でも数字が求められるし、人の管理もきちんとやらなければいけない。