歯周病ケアの基本は「バス法」

歯周病を予防して、8020(80歳で残っている歯が20本)を目指すためには、毎日の歯周病ケアが重要です。

栗原毅、栗原丈徳『70歳の壁を越える 食べる力』(エクスナレッジ)

歯周病ケアとは、要するに歯みがきのことです。歯みがきを全然やらない人はさすがにいないと思いますが、歯周病を防ぐ歯みがきにはコツがあります。ただ漫然とみがいても、歯周病は予防できません。

逆にいうと、正しい歯みがきをしていれば、歯周病は予防できますし、治療のため頻繁に歯科医院に行く必要もありません。結果的に、医療費の節約にもなるのです。

歯周病予防のための歯みがきは、プラークを取ることが目的です。

プラークは歯の表面にもつきますが、とくに大事なのは歯周ポケットのプラークを取ること。そのためには、歯と歯ぐきの間に歯ブラシを当てることが大事です。

みがき方のコツとしては、ペンを持つように歯ブラシを持ち、歯ブラシを歯に対し45度に当てて、20~30回、小刻みに震わせるように前後させます。

このみがき方のことを「バス法」といいます。歯周病菌は夜寝ているときにプラークの中で繁殖するので、夜寝る前の歯みがきはこのくらいやらなければなりません。

歯ブラシを45度で当てるのは、歯周ポケットに入った食べかすをかき出すことが目的です。力を入れすぎると歯肉を傷つけるので注意しましょう。

むし歯予防のみがき方「スクラビング法」

もう1つ、歯ブラシを歯に対して垂直に当てる「スクラビング法」というみがき方もあるのですが、こちらはおもにむし歯予防のためのみがき方です。

健康な歯のためには、歯周病予防だけでなく、むし歯予防も大切ですが、バス法でも歯の表面の汚れはある程度とれますし、食べる力を落とさないための優先順位としては歯周病予防のほうが大事なので、バス法を基本のみがき方としてよいと思います。

バス法は歯肉のマッサージにもなります。適切な圧力をかけて小刻みに歯ブラシを震わせると、歯肉の血流もよくなります。毛先を歯肉に当てて、細かく気持ちよく感じるくらいの強さで震わせるのがコツです。

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