挨拶にひと言付け加えるだけで人間関係はぐっと良くなる
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第10位は有川真由美さんの『いつも機嫌がいい人の小さな習慣』でした。
忙しなくバタバタしてしまいがちな年末。自分の機嫌の悪さにますますイライラしたり、家族や同僚に冷たく当たってしまったりして、「2024年こそいつも機嫌よくいたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。
そんなあなたには、本書で紹介される習慣を試してみることをおすすめします。
今日から実践してほしいのは、挨拶にひと言を添える習慣。「寒いですね」「今日も忙しくなりそうですね」と、ちょっとした言葉をつけ加えてみるだけで、敬意や好意が伝わり、挨拶が立派なコミュニケーションになります。これを習慣づければ、人間関係が良好になり、「いつも機嫌がいい人」に一歩も二歩も近づけるはずです。
著者はまた、もう少し近づきたいと思う人には、疑問形を使ったひと言を投げかけることを勧めています。「風邪はよくなりました?」「最近、お忙しいですか?」などと言ってみると、会話が続きやすくなるからです。
本書で紹介される習慣は、ほんの小さなものばかり。2024年の暮らしに取り入れたいものを探してみませんか?
キーエンスが社員に高い賃金を払える理由
第11位の『付加価値のつくりかた』にもご注目ください。
「年収が高い企業ランキング」の上位常連で、2023年版ではM&Aキャピタルパートナーズに次いで第2位に輝いたキーエンス。なぜキーエンスは社員に高い賃金を支払えるのでしょうか。本書を読むと、その秘密が理解できるでしょう。
キーエンス出身の著者によると、同社のビジネスの特徴は高付加価値であること。キーワードは「マーケットイン型」「高付加価値状態での商品の標準化」「世界初・業界初の商品」の3つです。
このうち、他社が比較的取り入れやすいのは「マーケットイン型」でしょう。
キーエンスでは「お客様の困りごと」を解決する商品を開発するのが原則。しかも、商品開発プロセスの中に検証フェーズを設けており、「こんなものを作ったら、買っていただけますか?」とお客様に確認するといいます。ヒアリングの結果、「この商品は売れる」と確信したものだけ、開発フェーズに移るそうです。
キーエンスの高付加価値の理由が垣間見える本書。経営層はもちろん、すべてのビジネスパーソンの必読書だといえるでしょう。