「青の服と白の服、どっちを買ったらいいと思う?」への返答は

第2位は『頭のいい人が話す前に考えていること』でした。2023年年間ベストセラー(日販調べ)の「単行本ビジネス」部門で見事第1位に輝いた一冊です。

安達裕哉『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)
安達裕哉『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)

本書では、コミュニケーションの黄金法則が7つ示されます。

とりわけ印象的なのは「人はちゃんと考えて“くれて”る人を信頼する」という法則。例えばデート中、相手から「この青の服と、白の服、どっちを買ったらいいと思う?」と聞かれたら、あなたはなんと答えるでしょう?

ここで、何も考えることなく「白かな」と答えるのは絶対にNG。「適当に答えていない?」「ちゃんと見てくれている?」と思われてしまいかねません。

「あなたのことをちゃんと考えているよ」という姿勢を見せるなら、話す前に一度立ち止まって「白と青、それぞれ、どこがいいと思ったの?」と返すのがベストです。

著者は本書で「あなたの頭のよさを決めるのは他者」と指摘しています。他者から「頭のいい人」と認められれば、意見が通りやすくなり、仕事がスムーズに進むようになるでしょう。

2023年を代表するベストセラーとして、多くの読者に愛された本書。まだ読んでいない方は、年末年始の課題図書にしてみませんか?

相手に心を開いてもらいたいとき「質問をする」のは二流

第3位は『聞き方の一流、二流、三流』でした。

松橋良紀『聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)
松橋良紀『聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)

あなたは自分の聞き方に自信を持っていますか? この問いに対して自信満々に「イエス」と答える人にこそ、本書をおすすめします。

本書の特徴は、すべての項目が「三流は○○をする、二流は△△をする、一流は××をする」という形式で書かれていること。

例えば相手に心を開いてもらいたいとき、「三流は話泥棒をし、二流は質問をして、一流はオウム返しして待つ」とされています。相手が話している途中で自分の話を始めてしまう「話泥棒」はもってのほかですが、「どうして質問が二流なのか?」と疑問を抱く人もいるでしょう。

質問が必ずしも良いとは言えない理由は、自分が聞きたい質問ばかりして、相手の話したいことを邪魔してしまう可能性があるからです。

そこで一流は、自分が話したくても、質問を挟みたくても、我慢してオウム返しをして待ちます。相手が自身のペースで話すのをアシストして、最後まで聞き切る。これができる人こそ一流の聞き手なのです。

聞き方に自信がある人でも、本書を読むと、自分の聞き方が二流であることに気づくのではないでしょうか。忘年会・新年会や同窓会、家族での食事会など、人と話す機会の増える年末年始にチェックしたい一冊です。