ファミリー向け住宅が増えたものの保育園整備が追いつかない
また、オフィスは都心3区(千代田区・中央区・港区)に床面積の50%超が存在しており、そこへ鉄道を乗り換えせずに1本で行けるエリアは城東側に集中する。これは時間距離や通勤利便性の問題でもある。独身時代から城東に住んでいる世代はそこで子育てを始めている。近年、新築のマンションは分譲も賃貸も城東地域で相対的に増えた。ファミリー向け住宅ストックが増えたことから、そのエリアでの出生人口が増える要因になっている。しかし、認可保育園はすぐに整備できるわけではない。そのギャップは待機児童の形で表れることになる。
最寄り駅単位で見ないと「本当の入りやすさ」はわからない
さらに、区単位で見た場合と自分が住んでいる駅単位で見た場合とでは、事情が異なることも多い。結局のところ、保育園に入りたい人数と受け入れ可能人数のバランスは、最寄り駅単位まで落とし込んで分析しないとわからないのだ。
ワースト1位は、江戸川区の篠崎駅で、0歳児人口は440名と都区部有数の需要があるにもかかわらず、0歳児定員は35名と少ない。結果として、認可保育園倍率は12.56倍となり、東京23区で「保活最難関」の駅となった。同じ江戸川区の中でも船堀駅は4.55倍とかなり違うので、駅ごとのチェックは欠かせない。
筆者が主宰する無料会員制サイト「住まいサーフィン」では独自にこの「認可保育園倍率」という指標を設定し、23区内400駅の全データを公開しているので参考にするのもいいだろう。
今年の認可保育園入りにくい駅ランキングは、1位篠崎(前年1位)2位西葛西(同2位)3位本所吾妻橋(同ランキング外)となった。上位2駅の顔ブレに変化は無いが、本所吾妻橋は2つの園で0歳児の受け入れがなくなり、定員数が45人から24人に21人も減って、ワースト3位に急浮上している。入りやすさは需要÷供給の需給バランスなので、供給減少は一気に順位を上げることになりやすい。
一方で、需要が急増する場合もある。新豊洲駅の0歳児人口が523人から571人に48人増えて18位に、町屋駅が247人から354人に107人増えて21位にジャンプアップしている。この様に、新築マンション建設で急増した駅も注意が必要だ。最終的には、駅単位に確認することを推奨しておきたい。