マンションが高い。年収600万円の会社員が首都圏でマンションを買おうとしたら、何かを妥協しなければならないのが現実だ。スタイルアクト代表の沖有人さんは「マンション購入で最も妥協してはいけないのは立地だ。都心から離れても資産価値が落ちにくい駅はある」という――。
東京中心部のヘリコプター航空写真
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

都区部の中古物件を検討することになる

今からマンションを買う場合、押さえておくべきことが2つある。1つは自分が買える物件価格を知ることだ。もう1つは今後の相場がどうなるかだ。

自分が買える物件価格は住宅ローンがいくらまで借りられるかで決まる。その借入限度額は世帯年収でほぼ決まる。現状なら、年収の8~10倍となる。年収600万円なら、4800万~6000万円となる。新築の3LDKが66m2程、20坪となるので、坪単価は240万~300万円となる。都区部の新築の平均値が坪400万円なので、都区部では買える新築物件はほぼ無いに等しい。このため、おのずと中古を検討することになる。

また、今後の相場も押さえておく必要がある。マンション価格は金融緩和とともに上昇してきた。その相関関係は非常に強い。日銀の金融緩和は当面続きそうなため、価格は今後も上がる公算が大きい。買った価格よりも売る際の価格が高いのならば、賃貸でなく、購入した方がいいに決まっている。このため、自分の年収で買える物件を探すことになる。

最も妥協してはいけないのは立地

マンションの資産価値は、立地でほぼ決まる。立地とは、最寄り駅と駅からの徒歩分数だ。これを妥協すると資産の下落幅が大きくなるので、購入推奨しにくくなる。最も妥協してはいけないのは立地である。

立地がいい物件はおのずと価格が高くなる。買えなくては意味がないので、買える価格まで落とす必要がある。その際の最も端的な方法は、面積を小さくすることだ。とはいえ、それには限度がある。建物の床面積は40m2以上でないと住宅ローン控除を受けられない。これに満たないと自宅用ではなく投資用となり、中古価格がドンと落ちる。この際、注意すべきはここでの床面積が「登記簿面積」であることで、広告に載っている専有面積と異なる。前者が壁の内側の面積で、後者は壁の厚みの中心線(壁芯)の面積で、後者の方がいくぶん大きい。登記簿面積が40m2以上なら、専有面積は43m2のものでも確認が必要になる。取引の際に仲介会社に確認を求めよう。