「ポイント5倍デー」でムダ遣いしていないか

私には、ポイントのサービスは、「消費者に、より多くのお金を使わせる仕組み」の1つにしか見えません。企業は営利団体です。利益にならないことはやりません。

実際、多くの企業は消費を促すためにポイント制度を利用します。

要するに、ポイント制度によって消費者のお財布の奪い合いをしている、のです。

ポイントと購買意欲の関係は、行動経済学を少しでもかじれば、イヤというほど見えてくるはずです。

一切のポイ活をやめなさい、と言っているわけではありません。

毎日行く近くのスーパーがあるなら、そのお店のポイントを貯めるのはいいと思います。貯めないよりも、貯めたほうが得になるでしょう。

でも、「今日はポイント5倍デー」という日に、余計なものまで買うのは、やはり損です。ポイントに心を奪われて、必要のないものまで買うのは、ムダ遣い以外の何ものでもありません。

基本的に「お金を使って得をすることはない」んです。

大切なのは、ポイ活は企業側が儲かる仕組みの1つである、と理解しておくことです。

1000万円貯めるために必要なのは、「賢い消費者になる」ことではありません。「仕事でお金を得て消費する」というルーティンから脱却することです。

「ポイ活」によって生まれる「ちょっとしたお得感」は、「仕事でお金を得て、消費する」ルーティンを強めるものでこそあれ、1000万円無理なく貯めるマインドとは異なります。

そこのところをぜひおさえておいていただきたいと思います。

写真=iStock.com/Seiya Tabuchi
※写真はイメージです

カード払いより現金払いは正解か

女子の意見
● 「カード払いよりも現金払いのほうが、お金を使っている感覚が強いから、ムダな出費が減る」と聞いてやってみた。けど、現金払いにしたところで必要な出費が減るわけでもなかった
● 昔っから親に「クレジットカードよりも現金を使え」「クレジットカードは借金みたいなもの」と言われてきた。でも、クレジットカード払いはポイントもつくし、明細も確認できるし……何より便利だと思う

カードでも現金でも、結局「払っている」のは同じです。

1000万円貯めた女子がやめたことの5つめは、「カード払いではなく現金払い」。つまり、買い物をするときに「カードか現金か」を選べる場合、これまでは現金払いを選んできたけれども、それをやめた、という意見です。

この「カード払い」には、電子マネーも含まれます。

そう、1000万円貯めた女子たちは、「カードだろうが、電子マネーだろうが、現金だろうが、好きな方法で払えばいい」と言うのです。

それどころか、さらに話を聞いてみると、

“カードとか電子マネーで払ったほうが、実はお得ですよね”

とまで言っていました。