若手社員のほとんどが挨拶をスムーズにできない根本原因

従業員の研修中にチャットで、「挨拶についてどう思っていますか?」と部長から質問を投げかけてもらったところ、意外な事実が判明しました。

20代と30代の従業員のほとんどが、挨拶の大切さをわかってはいるものの、挨拶をスムーズにできない、隠れた原因が発覚したのです。

その原因の多くは、「自分から挨拶しても、無視されたら怖い」「相手が視界に入った時点で、緊張してつい下を向いてしまう」という心理に根ざしたものでした。中には人見知りのため、挨拶のときでさえ言葉が出てこない人もいました。

それぞれの思いや気持ちが、私にはわかる気がしました。

立場が上の人を前にすると、緊張してしまうのは当然です。ましてや、その人が考え事をしていたり、不機嫌そうな表情をしていたりしたら、なおさら声をかけるのをためらってしまうものです。

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過去に、自分から挨拶をしたのに無視された辛い経験が、ちょっとしたトラウマになっていることもあるでしょう。

もし皆さんが、同じような思いで悩んでいるなら、その悩みを前向きに振り払って、挨拶の大切さにもう一度、思いを馳せてほしいと思います。

毎日の積み重ねで、人生が明るくなる

挨拶をしても無視されたら、「この人は今、機嫌が悪いんだな」「挨拶を返すこともできない、プライドの高い人なんだな」と思って、それ以上は気にしないことです。

それよりも、挨拶をしたら気持ちのよい挨拶が返ってきた人と、ポジティブな関係性を築いてほしいのです。毎日の積み重ねで、人生が明るくなることでしょう。

商業施設の看板デザインをしている会社の社長がしみじみと言っていました。

「挨拶をしない人が増えたけど、もったいないことだねえ。自らチャンスを逃しているようなものだよ」

この社長は冷静沈着な雰囲気を醸し出しているので、人によっては一見、近寄りがたいイメージを抱いてしまうタイプの方です。

しかし実際に話してみるととても穏やかな人柄で、ご自身の豊富なビジネスの経験に裏打ちされた、有益なアドバイスを惜しまない優しい人なのです。

私はこの社長から、仕事や生き方についての貴重なヒントをたくさん聞くことができました。

もし自分から挨拶するのを怠っていたら、この社長と良好な人間関係を築くことができず、価値ある助言をいただくチャンスを失っていたに違いありません。

そう思うと、心の底からゾッとしてしまいます。

繰り返しになりますが、自ら進んで挨拶をすることは、相手を立てるために欠かせない基盤なのです。

自分から感じのいい挨拶をすることを心がけて、相手を立てていきましょう。

そうした一見地味なことの積み重ねが、思いもよらない人生の飛躍をもたらしてくれることがあるのですから。