中国はソロモン政府中枢を事実上乗っ取った

バイデン政権が宣言したように、本当の脅威、より手強い敵は中国だ。その中国に最も狙われているのが日本であることは、多くの日本国民がすでに感じとっているはずだ。中国は日本にどのような侵略の手をのばしてくるか。プーチン氏の轍は踏まないだろう。そこで警戒しなければならないのが中国の秘密交渉だ。

4月(※2022年)にソロモン諸島と中国が安全保障協定を結んでいたことが明らかになった。なんとソロモンの国会さえも気づいていなかった。ソロモン議会も気づいていないのであるから、豪州や米国が阻止できなかったのは当然だ。中国はあっという間にソロモン政府中枢を事実上乗っ取ったのである。どれ程の賄賂が渡ったのか。狙いを定めた対象を取り込む中国の手練手管は無尽蔵だ。

中国資本に狙われる日本の海と海底

日本はソロモン諸島のことを笑えない。2022年5月7日付産経新聞の宮本雅史編集委員による「国境がなくなる日 洋上風力に触手 日本を丸裸」は、中国が日本の洋上風力発電事業を受注し、日本の電力供給の元を押さえる動きに出ていると警告する。たとえ一部といえども電力の供給源を他国、とりわけ中国に握られることは危険だが、それだけではないと宮本氏は語る。

「たとえば富山県入善町の洋上風力発電事業に中国企業が入ることになりました。発電業者は、発電機を設置する海域の風力、海流、海底の地形、地質などを調査することができます。受注企業は最大30年間、その海域を占有し、調査できるのです」

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中国資本による日本の国土買収を20年以上も取材し、日本侵略の魔の手の実態を知る宮本氏はこうも語る。

「森林、水源地、農地などの国土だけでなく、海洋国家日本の、海と海底までが中国資本の手に渡ってしまいかねないのです」

恐ろしい話だ。中国の脅威に立ち向かうには国防力強化だけでは到底足りない。政治家は危機のアンテナを針鼠のように自分の周りに立て巡らし、中国の脅威を米国にも強調せよ。問題を把握し、国土も海も中国に奪われない法整備を実現しなければならない。