「同じ毎日」はふしあわせなことではない

若いころの僕は、そんなことにはまったく気づきませんでした。

日々の生活や人生には、いろんなことが起きて、毎日、何らかのスペシャルがあることこそが、楽しくて、豊かで、しあわせだと思い込んでいました。

松浦弥太郎『眠れないあなたに おだやかな心をつくる処方箋』(小学館)

「退屈だ」とか、「つまらないな」と思うことは、幼ければ幼いほど思いがちだったし、僕も若いころまでは「おもしろいこと、何かないかな」と考え続けていました。

けれども、大人になってから、「退屈だ」とか、「つまらない」ということに対する解決法は、スペシャルを計画することではないのかもしれない、と思うようになったのです。

「同じ毎日」ということは、けっして、自分にとってふしあわせなことではないと気づきました。

変わらぬ同じ毎日からは、いつも心に余裕が生まれ、いつも心が整った状態で仕事をし、暮らすことができます。当然、コンディションはよいので、仕事の成果も上がり、人間関係や暮らしには、安心という豊かさが生まれるでしょう。

そうです。今日は何も起こらなかったことに安らぎを覚える。そのしあわせに感謝する、そんな日々が、僕の心と身体を癒してくれているのです。

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