女児は初潮をきっかけとした不調に注意

今西康次『朝、起きられない病』(光文社新書)

Cさんは、2年生の頃の起立性調節障害とかんしゃくについては、質的栄養失調が主な原因でしたが、軽度だったために早期に改善しています。しかし、5年生で生理が始まったのをきっかけに、徐々に同様の栄養不足が悪化し始めました。二次性徴が始まったために、体が必要とする栄養が急に増していくことで、食事からの栄養補給が間に合わなくなってきたことを意味します。経血で失われるのは鉄だけではなく、タンパク質も同様です。

特に、女子は二次性徴が始まる頃からの数年間が、人生で一番エネルギーを多く必要とする時期です。高栄養を意識していないと、容易に栄養不足になってしまいます。

姉が通った道は、同じ食事をしている妹も同様に歩む可能性は高いといえます。実際に、妹のDさんも、小学校低学年で質的栄養失調に陥りました。このまま初潮を迎えれば、また姉と同様の不調が高確率で起こるでしょう。本人と親御さんにそのことについてお伝えしつつ、今後も栄養状態をフォローしていく予定です。

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