管理職に出世したり、株式を保有する機会も
2014年版の「以工代賑」との違いは、新たな総合救済モデルを提示している点だ。
単に貧困層に労務報酬を出すだけではなく、
1.公益性インフラ建設+労務報酬+技能研修+公益性のある管理職ポスト開発をセットにしたモデル
2.産業発展に合致するインフラ建設+労務報酬+技能研修+資産の割引株式化配当をセットにしたモデル
があり、管理職に出世したり、株式を保有する機会もある。
また技能研修を行うことで、プロジェクト終了後も、習得した技術によって新しい仕事を探すことができる。
さらに労務報酬が投資全体に占める割合を、15%から30%以上に引き上げた。
汚職の温床になりかねない
だが、改正法案の26条と28条に含まれる内容が物議を醸している。
26条では、「以工代賑プロジェクトは競争入札で事業者を選ばなくてよく、いかなる組織、個人も入札を強要してはならない」、とある。これは建設許可、手続きの簡素化のためでもある。
競争入札を行わないということは、上層部が事業者を指定するということであり、その決め方には必ず癒着や汚職の問題が起きるだろう、という懸念の声がある。
中国では、競争入札しないプロジェクトは次のように定められていた。
1.一般に国家安全、国家機密に関わるか、危険な災害救援が伴うもの
2.貧困救済資金で行われる以工代振で、出稼ぎ農民を雇用する場合
3.施工主が求める技術が、特定及び専門性の高い技術である場合
4.施行企業が自ら建設し自ら用いるプロジェクトで、施工企業がプロジェクトの要求に合致している場合