非同族の個人が会社を買うことが当たり前になる

私は時々、スモールM&Aブームの火付け役のように紹介されることがあります。しかし、私が言い出さなくても、遅かれ早かれ誰かが提唱することになっただろうと思っています。

なぜなら、日本企業の99%以上を占める中小企業を誰かが引き継がなければ、日本中でおびただしい数の会社が倒産し、日本経済は壊滅してしまうからです。

とはいえ、環境整備は「かなり遅れた」というのが私の正直な評価です。本来、もっと早くそうなるべきでした。

日本を廃屋だらけの貧困国にしないために、スモールM&A、親族以外への事業承継の環境が整うというのは、私に言わせれば「当然のこと」なのです。これからは親族以外への事業承継が当たり前になるでしょう。

買い手市場は「あと5年」

市場はいま、潜在的な会社も含めると売り手が多く、買い手が少ない供給過多の状態。つまり、“買い手市場”です。こうした状況では、買い手のほうが立場が強く、金額など条件の交渉も有利に進めることができます。

しかし、この“買い手市場”は未来永劫みらいえいごう続くわけではありません。

環境が整えば、必ず、会社を買う側の人は増えていくでしょう。買いたい人が増えて供給を追い越してしまうと、「買いたいのに、買いたい会社がなかなか見つからない」という状況になってしまいます。そのうち、売り手市場に変わり、金額などの条件も上がってくることが予想されます。

私の予測ではおそらく、団塊の世代の事業承継が終わる2030年ぐらいには、スモールM&A市場は、買い手市場から売り手市場に転じるでしょう。

だからこそ、会社を買うなら「いま」なのです。