このままサラリーマンを続けて、いいのだろうか……

さて、冒頭の問いに戻ります。あなたはこの5年間をどう過ごしましたか。

自らを振り返っていただきつつ、私が紹介したいのは、この5年の間に『サラ3』に出会ったことで、「会社を買う」という選択肢を選び取り、動いた人たちのことです。彼らのことを伝えようと、このたび、新著『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』をあらわしました。

彼らは『サラ3』を読み、「自分はこのままサラリーマンを続けていていいのだろうか」「こんな自分にも会社を買って経営することが果たしてできるのだろうか」と思いを巡らせました。

そこまでは他の読者の方たちと同じでしょう。でも彼らはそこで一歩を踏み出しました。あれから5年。彼らはいったい何を見て、どんな体験をしたのでしょうか。

「個人が会社を買わないと日本経済は沈む」

私が、中小企業向けの事業承継・事業再生投資ファンド「日本創生投資」を投資予算30億円で創設したのは2016年のことでした。その経験をもとに、1冊の本にまとめて最初の『サラ3』を刊行し、「サラリーマンが300万円で小さな会社を買うサロン(サラ3サロン)」を始めたのが2018年のことです。

日本経済の屋台骨を支える中小企業の後継者不足の深刻さは語られつつも、なかなか社会問題として認識されず、解消に向かう様相が見えないことに強い危機感を覚えていました。

それゆえ私は、『サラ3』で「個人が会社を買わないと日本経済は沈む」と警鐘を鳴らし、個人が会社を買えるようになる環境を整えるため、自らサロンを始めたのです。

サロンには、たくさんのメンバーが集まってくれました。本気で「会社を買う」ということに向き合ってくれる人に参加してもらいたかったので、月額会費は約1万円という高額に設定しましたが、想像以上の反響でした。