「チョコモナカジャンボ」のパリパリの秘密

2位の「チョコモナカジャンボ」(森永製菓。2ページの表ではバニラモナカと合わせてジャンボモナカ)は、昨年で発売50年。「チョコレートメーカーならではのアイス」のコンセプトのもと、板チョコをイメージしたモナカにチョコをスプレーして1972年に売り出した。パキッとしたチョコが入っている現在の形は1995年からで、この形となって28年たつ。

細かい改良も続けてきた。今年3月にはモナカの吸湿を防ぐ「チョコの壁」を作りだし、パリパリ感の持続時間を増やした。森永製菓の中村望さん(冷菓マーケティング部)がこう話す。

「研究開発と製造ラインの検討で苦節5年かかり、ようやく実現しました。お客さまからも『もっと好きになった』『パリパリがおいしい』という声を多くいただいています」

実は姉妹品「バニラモナカジャンボ」では2021年に開発した技術だが、チョコモナカジャンボは商品設計が違うため、試行錯誤した末に実現させたという。

思い出と結びつく人も多いようだ。「子どもの頃から、ずっとこれを食べている記憶。包装紙以外のゴミも出ないし、手が汚れない。シェアできるのも◎」(20代女性)。「父が好きで食べていたのでファミリーアイスという印象。個人的にはクルマでのお出掛けやプールの帰りなどに紐づく。何かをしながら食べられるのもいい」(30代女性)という声も。

隠れ1位のハーゲンダッツ

3位の「パルム」(森永乳業)は、バーアイスとしての評価を高め、同社の先輩「ピノ」(一口アイス)を上回るブランドに成長した。発売18年だが、消費者からは「もう少し最近のブランドだと思っていた」という声をよく聞く。発売以来、一貫して上質感を訴求しており、アイスとチョコが同時に溶ける商品性も特徴だ。同社は「日本人の舌は繊細で、年々それをご評価いただいていると思います」と話していた。

前掲の表に入っていない“別枠1位”がある。「ハーゲンダッツ」(ハーゲンダッツ ジャパン)だ。2022年度のブランド全体売上高は505億円。米国発祥で、日本に上陸して東京・青山に1号店を開いたのは1984年で、当時は店の外まで行列ができるほど人気を呼んだ。

その後、2013年まで「ショップ」と呼ぶ専門店を展開していた。現在はスーパーやコンビニを中心に販路を広げたが、高級アイスクリームの代名詞の存在は変わらない。