「自身の原体験」と「企業の独自性」をセットで語る
もちろん、自身が心から理念に魅力を感じて志望したのであれば、正直に伝えてOKです。ただし、「理念がすばらしいと思いました」で終わらせず、その理念とリンクする自身の原体験エピソードを交えて話しましょう。
「では、あなたは誰かの困り事を解決したことがあるのですか?」
「いえ、特にはありませんが……」
これでは納得はされません。
このように、応募先企業に共感を覚えた「原体験」+「その会社の独自性」をセットで伝えられれば、納得を得やすくなります。企業側は「生き生きと働いてくれそう」と、活躍イメージを描くことができるでしょう。
最近は「SDGs」の概念が広がったこともあり、「社会貢献」をキーワードに転職先を選ぶ人が多く見られます。
しかし、安易に「御社は社会貢献性が高い事業を手がけているので」と語ると、落とし穴にはまることがあります。
「社会貢献への意欲があるなら、これまであなたはどのような社会貢献の活動をしてきましたか?」と突っ込まれたとき、答えに詰まってしまう人は多いのではないでしょうか。
抽象的なテーマを語るには、やはり根拠となる体験エピソードが必要なのです。
未経験業界への転職を可能にした志望動機
「志望動機」で採用担当者の心をわしづかみにし、未経験業界の企業に採用された方の事例をご紹介しましょう。
Aさん(30代後半)はヘルスケア企業で事業部長を務めていた方。社内評価が高かったにもかかわらず、これまで縁がなかった教育企業に応募しました。
企業側は、「なぜこんな経歴の方が、この年齢でわざわざ未経験業界へ?」と不思議に思いながらも面接を実施。そこでAさんが語った志望動機に納得したのです。
Aさんの思いを受け止めた企業は、業界未経験ながら新規事業開発のポジションで迎えたのです。