ロジカル英語で重要な“3つのポイント”

【ロジカル英語の基本構造】
ステップ1 序論:自分の言いたいことを先に言う。
ステップ2 本論:自分の言いたいことが正しいと証明する具体例を優先順位羅列する。
ステップ3 結論:自分の言いたいことを繰り返してまとめる。

このように、自分の言いたいことから先に伝えると、相手の貴重な時間を無駄にしません。次に、なぜそういう結論に達したかを具体的に説明すれば、こちらの主張に納得してもらえます。これは討論(ディベート)、交渉(ネゴシエーション)、発表(プレゼンテーション)といった、グローバル社会に必須のスキルの土台、「グローバル地頭」の基本となるものです。

イントロ・ボディ・結論の3段論法など、誰でも知っている、と思う人もいるかもしれませんが、このプロセスで忘れてはならない重要なことが3つあります。

(1)話し手は常に相手目線であること。相手にとって本当に分かりやすくて面白いことを発言できていること。
(2)内容が首尾一貫していること。話がテーマから逸脱せずに、リズミカルに流れていること。
(3)自分にしか言えない特別な情報があること。誰でも知っている一般論をくどくど述べたり、「政府はもっと~~すべきだ」といったやる気をまったく感じない結論になったりせずに、自分のオリジナルのアイディアを主張できていること。

結論を先に伝えられない日本人

なぜこの話をするかというと、日本人はとかく形から入ってしまい、見栄えのよい形がそれなりに完成すると落ち着いてしまうからです。

写真=iStock.com/mapo
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私が主宰するハーバード生が講師陣のサマースクールSIJは、日本にある外部の団体様とコラボさせていただくこともあります。交流イベントでまず、日本側団体は、数カ月かけて英語で作成した力作の「資料」をハーバード生たちに「これを読んでください」と配布します。そこで日本側は「やれやれ、我々の任務は無事に成功した」と落ち着くわけですが、当のハーバード生たちはその「力作英文資料」に2秒ほど目線を落として、捨ててしまいます。

それをされた日本側の団体は、日本人だけの反省会の場で、「アメリカの学生は無礼だ」と私に怒りをぶつけます。これが起きるたびに、私は、「なぜ、資料が捨てられたその場で、アメリカ人学生に『無礼だ』と言わないのか、私に今さら言っても彼らは帰国している」「なぜ、資料を配布するその場で『これを読んでおいてください』ではなく、『この資料がいかにこのイベントの要でありものすごいものであるのか』を口頭で説明しないのか」と真実を伝えることになるわけです。

グローバル社会では、重要性と希少性を説明しない限り、たとえいわゆる目上の者が作成したプレゼンでも資料でも見向きもされません。ここを取り違えずに、ロジックを出していく必要があるのが、これからの子どもたちです。