「普段」を付け足せば自然な形になる

このセリフがまかりとおるには、日本語の場合だと、実は言葉を1つ付け加えるだけで自然になるのです。それはズバリ「普段」。

「私は普段、学校へ行きます。」

どうです? これならば、先ほどより自然でしょう。概の場合、「英語の現在形」というのは、「今この瞬間の現在のこと」というよりは、「普段」、「いつも」、「習慣的に」、「一般的に」、どうなのかを表現しているのです。これって、皆さんがこれまで考えていた現在形の認識とはだいぶ違うのではないですか?

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「私は電車に乗ります。」
「彼は車を運転します。」

言われてみれば、この手のセリフって、どこかおかしいですものね。でも「普段」という認識を付け足せば、自然な形になるわけです。

現在進行形は「今この瞬間」だけではない

では、「今この瞬間の現在」の場合はどうなるの? これまで多くの人たちが「現在形」だと思っていた「今現在」は、逆にどう表現すればいいの?

それがズバリ「現在進行形」なのです!

時制の概念を理解していないまま英語の勉強をしていた人は、一度くらい「おっかしいなぁ」と思ったことがあるはずです。「現在形と現在進行形とはどう違うんだよ?」って。これについては、こんなふうに無理やり考えたりしませんでしたか?

「現在形は『単なる今』で、現在進行形は『今この瞬間やってること!』」

あれ? でも、現在進行形って、今この瞬間にやってないこともめちゃくちゃ言ってるではありませんか?

I am meeting my teacher this afternoon.(私は今日の午後に先生に会うつもりだ。)
He is having lunch with me today.(彼は今日、私と一緒に昼食を食べますよ。)

こんなふうに、現在進行形を使って未来のことも言えるのですから。途端に「そうか! やっぱり英語はムリ! さようなら~」って、言いたくなってしまうわけですね。

しかし皆さん、ここはもう少し踏ん張って。これまであやふやなままで済ませていた時制の概念を覆すだけでも、英語の見方はかなり変わってくるのですからね。

おそらく本稿を読み切るころには、今までは気にも留めたことのなかった時制を「自然と意識しながら英文を見ている」自分の姿に、ハッ! と気付くでしょう。

すると、英語のハードルがぐんと下がるどころか、根本的な英語の見方が変わったことへの感動が巻き起こるハズ!