「声をかけてくる」人間を安易に信じるな

ここまで「声をかける/かけられる」の例をいろいろ見てきたが、改めて肝に銘じておきたいのは以下の項目だ。

【1】いきなり声をかけてくる人間は、善意で近寄ってくるワケがない。そいつにとってメリットがあるだけ。

【2】「声をかける」という行為はある程度のガッツがあればできる。失うものは極めて少ない。せいぜい無視されたり、煙たがられたりする程度のデメリットしかない。対して「声をかけられる」側はさまざまなリスクや面倒ごとを勘案しなければならないので、デメリットが多い。“ほぼノーリスク”対“ハイリスク”の非対称な関係性なのだから、回避するに限る。

【3】よく知らない相手から声をかけられたら、ダマされるか、むしり取られると疑心暗鬼になるくらいでいい。ある程度親しい相手であっても「あれ? 妙なことを言い出したぞ」「なんか違和感があるな」と思ったときには、警戒レベルを高めて、距離を置こう。

【4】「自分なんて、わざわざ声をかける価値もなく、大して魅力のない“普通の人”である」と謙虚になるべし。

【5】世の中に「おいしい話」は存在しない。

これらの大原則を守ることが、あなたの身を守ることにつながる。特に、進学や就職で都会に出てきた人は注意してほしい。新生活を満喫しているだろうが、浮かれた気分でいると、あなたをカモにしようとするやからから声をかけられ、とんでもない思いをするかもしれない。「声をかけられても、無視」を徹底すべきである。「荷物を持ってあげましょうか」「撮影してあげましょうか」なども、まずは疑ってかかったほうがいい。

あなたが誠実に暮らしていれば、次第に周囲にも誠実な人が集まってくる。そうして時間をかけながら関係性を深めていく。相手を信用するのは、それからでも遅くない。また、信頼できる人がまわりにいてくれれば、判断に困ったときに相談もできるだろう。

いずれにせよ、「声をかけてくる」相手を安易に信じることだけは、絶対に避けなければならない。

【まとめ】今回の「俺がもっとも言いたいこと」

・「よく知らない人からいきなり声をかけられる」ことはあるが、無視して構わない。
・「声をかけてくる人間」は、自分にメリットがあるから声をかけてくる。安易に信用してはならない。こちらにはデメリットやリスクが多分にある。
・「100%の善意」なんてものは存在しない。であれば、よくわからない相手のことは、安易に信用するべきではない。

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