叱るときは正面に座らない

対面で部下やキャバ嬢を指導するとき、私が必ず気をつけているポイントがあります。

相手の望ましくない行動に対して指導するときの具体的なポイントを述べます。

まずは座る位置です。向かい合わせではなく、横並びか90度の角度の席に座ります。緊張感を解き、なるべくリラックスして会話に集中してもらうためです。

目的は怒ることではなく業務改善なのですから、協力して問題を解決していく姿勢を示します。

相手の正面に座ると威圧感が生じて萎縮させてしまうため、かえって内容が伝わりにくくなります。「私は怒っています」という意思表示にも見えるわけです。

そのため重大なルール違反を犯したときは、あえて正面に座ることもあります。

改善しないと本人が損をする、と伝える

この姿勢で座りつつ、相手が前向きに改善するような言い方を心がけます。

相手を必要以上に責めないことはもちろん、頭ごなしに「ダメ」と叱らないようにします。

例えば、連絡なしに遅刻したキャバ嬢の場合。まずは何があって遅刻したのか聞いた後、遅刻はキャバ嬢自身の信用を失うきっかけになるということを伝えます。

「○○さん(お客様)のフリーの席にあなたをつけたかったのに、遅刻したからつけられなかったよ。もったいないなあ。次からはちゃんと連絡してね」

遅刻することによって本人が損していることを分かってもらうことがコツです。

黒服ムラカミ『黒服の手帳 カリスマキャバクラ店長が教える「部下を動かす」技術』(小学館クリエイティブ)

「他のキャバ嬢の迷惑になる」のように、周囲の人の視点では話しません。結局、人間は自分のことが一番かわいいので、他人のメリット(デメリット)を強調しても、そこまで心に響かないからです。

怒鳴ったりせず、はじめは冷静に話せるよう意識してゆっくり喋ること。

お互いに話し始めたら、ペースやトーンを相手に合わせるようにします。

叱るときに限らず、私はキャバ嬢と話すとき、喋り方を真似するようにしています。早口のキャバ嬢には早口に、ゆっくり喋るキャバ嬢にはゆっくりと。

会話の調子を合わせないと、話が噛み合わない印象を相手に抱かせるからです。

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