TOEICでは単語の暗記が何より重要

私のTOEIC初回は約600点でした。思ったより低い点数でショックを受け、立て直しを決意し、2カ月後に受けた2回目で800点を超えました。さらに半年もすると、900点を超えました。この急上昇は、猛勉強したことは事実ですが、TOEICが傾向と対策を研究すると点数に直結する試験だったからでもあります。本当の英語力というより、TOEIC力を高めて短期間で高得点を取ったのです。

TOEICでは、まず単語の暗記が何より重要です。ありがたいことに、TOEICの問題に出てくる単語は限られています。単語の暗記を頑張ると、知らない単語は1つも出てこないという状態にすることができます。

TOEICの学習法では、一般には「過去問をたくさん解け」と言われます。同じタイプの問題が多いからです。しかし、私は過去問はほとんどやりませんでした。毎月受けていたので、それ以上はいらないと考えたからです。ただ、点数アップに過去問を推奨するのは正しいと思います。初回や久々に受ける人は、取り組むと点数につながると思います。

唯一やった過去問は、リスニングパートです。ナレーターの声に慣れるため、出題されるパターンに慣れるためです。文章が短いので、1語聴き落としてもリカバーできる現実の会話よりも丁寧に聴きとる必要があります。

そして、800点以上の高得点を取るには読書が効果的です。普段本を読んでいると、難題と言われるパート7の長文問題が長く感じなくなるからです。読書している人は、時間がだいぶ余るはずです。私のTOEICの点数が急上昇したのは、多読と並行していたからであることはまちがいありません。

英検のハイレベルの単語も大量の読書をしていればクリアできる

毎月あるTOEIC試験をペースメーカーにしながら、本命の英検1級の勉強に力を入れました。

英検1級は、TOEICと違って傾向と対策が立てにくいように思います。私が3回の受験、1年半で合格できたのは、大量の読書のおかげでした。英検1級の問題は、単語の難易度が高いことで有名です。私も、最初の受験では面喰らいました。ハイレベルの単語が連発していました。

橋本大也『英語は10000時間でモノになる』(技術評論社)

読書をしていない人は、英検1級の単語を覚えることに抵抗があるようです。「こんな単語を覚えても一生使わないよ」と思ってしまうのです。たしかに、日常のコミュニケーションでは使わないかもしれません。しかし、普段、英語で読書をしていると、英検1級の単語は普通に使われる単語なのです。見たこともない単語は覚える気がしないかもしれませんが、見たことはあるけどわからなかった単語は覚えるモチベーションが湧いてきます。iKnow!で英検1級用の単語を暗記しました。

英検1級の問題には、細かな文法を問うものはほとんどありません。長文の内容を正確に理解できているかが問われます。単語については、完全に理解できていなくても、なんとなくわかる単語がいっぱいあれば、問題には答えられます。これは、知らない単語を飛ばして読んでいる読書とまったく同じでした。

英検1級に合格する頃には、辞書なしでやさしい一般の本が読める段階になると思います。そこから先は、もう資格試験で能力を測るのではなく、どれだけ難しい本が読めるか、ややこしいコミュニケーションをこなせるようになったか、自分で判断できるようになります。試験にお別れです。

そして、ある程度英語で本が読めるようになったら、英語を学習するための本も英語で書かれたものに変えましょう。英語で英語を学ぶと、加速度的に英語が上達していきます。

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