※本稿は、野口悠紀雄『超「超」勉強法』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
単語を覚えるのでなく、文章を丸暗記する
多くの人が、単語帳を使って英単語を覚えようとしています。意味を知らない単語を単語帳に書き出し、それを覚えるという方式です。
しかし、この方法では、いつになっても英語は上達しません。単語帳の言葉を1つ1つ、別々に、孤立して覚えようとしても、できません。
人間は関係のないものを、バラバラに覚えることができないのです。だから、英単語を孤立して覚えることはできません。これは外国語に限ったことではありませんが、とくに外国語についてはそうです。
言語は「つながり」で覚えるもの
その証拠は、略語を覚えるのが難しいことです。例えば、SDGs、NFT、IoT、WHO、LGBTなど。SDGsだったか、それともSGDsだったのか、分からなくなったりします。
略語を覚えるより、もとの言葉を覚えるほうが、ずっと楽です。例えば、SDGsでなく、Sustainable Development Goalsのほうが覚えやすい。意味を知って覚えるからです。
意味がないことであっても、つながっていれば、そして繰り返せば、覚えられることがあります。そして忘れません。「門前の小僧習わぬ経を読む」といわれる通りです。
記憶は関連するものの芋づる式
記憶を確実にする方法は、覚える内容を長くすること、そして、意味ある内容を覚えることです。できれば、ひとまとまりの文章として覚えることです。
記憶は、人間の頭の中にいつまでも存在するけれども、引き出せなくなってしまうのです。忘れてしまうのではなく、思い出すのが難しいのです。