それに対して、丸暗記法は、文章を暗記して、そこから単語の意味を理解しようとします。つまり、「全体を把握して、部分を理解する」のです。数学の場合と同じく、分解法では成果が上がりません。丸暗記法のほうがずっと効率的な勉強法なのです。

丸暗記法で勉強した語学の天才たち

「丸暗記がよいとは、信じられない」という意見があるかもしれません。しかし、これは、私の勝手な思い込みではありません。

ハインリッヒ・シュリーマンは語学の天才です。15歳で多くの外国語を習得し、貿易商を営みました。それに成功して資金を貯め、トロイの遺跡を発掘したのです。彼も丸暗記法で、外国語の文献をいくつも覚えました。決して翻訳しません。

リンカーンは貧しい家に生まれて独学で勉強しましたが、本を持ち歩き、常に声に出して読んでいました。声を出して読み、耳で聞けば、黙読するよりも理解力が高まるのです。リンカーンは、音読した本のほとんどを暗記していたといわれます。

もう一人は、フォン・ノイマン。ハンガリー生まれの天才数学者です。アメリカで仕事をするため英語が必要になったのですが、彼も丸暗記法です。

英語の授業がダメなのは教師の保身が原因…

英語の教師が丸暗記法を勧めないのは、重大な問題です。本当は「ここからここまでを全部暗記せよ。1時間たったら皆の前で暗唱させるから、真面目にやれ」と言って、あとは居眠りしていればいいのです。

丸暗記だけだと、教師のすることがなくなってしまう。だから失業してしまうと考えるのかもしれません。

しかし、皆の前で発表してできなければ恥をかくというインセンティブを与えておけば、英語のクラスは意味を持つことになります。