デジタルハリウッド大学教授の橋本大也さんは、これまで10回以上英語習得に失敗してきた。だが、45歳で始めた自己流の英語学習法で、英検1級に合格し、洋書をスラスラ読めるまでになった。橋本さんの著書『英語は10000時間でモノになる』(技術評論社)より一部を紹介しよう――。
英語のノートと単語帳
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日本人は国語の授業で日本語がペラペラになったわけではない

10000時間英語を使うと、私の経験ではネイティブの大学生くらいの英語力を獲得できます。大学生レベルといっても、大人はコミュニケーション能力、常識、専門知識を持っていますから、合わせれば英語で何でもできる上級者です。英語のできる人がいない組織だったら「あの人は英語がペラペラ」と言われて、通訳や翻訳を頼まれるでしょう。

私たちは、学校の国語の授業を受けたから日本語が話せるようになったわけではありませんよね。勉強して洗練された言葉づかいになった部分はありますが、毎日使っているから流暢に使えるようになったのです。

英語ネイティブの18歳は、生まれてから10万時間以上、英語を使っている計算になります。流暢であたりまえ。しかし、母国語と第二言語は違います。私たち日本人の大人は、語学以外の知識と経験の積み上げがあるので、10000時間使えば、合わせ技で納得の英語力が手に入ります。

日本語を使う時間を減らせば10000時間は達成できる

10000時間は、長い時間に見えます。足し算で10000時間を達成しようとすると、1日1時間では27年かかります。1日9時間だと3年間です。「そんなにかかるのか」と、ため息をつくかもしれません。この本は、普通の社会人が3年間で10000時間を達成することを目標として書いています。

10000時間達成の極意は、“英語を勉強する時間”を足し上げるのをやめて、“日本語を使う時間”を引いていくことです。英語を使うことを意識するというより、日本語を使うことをやめるのです。睡眠を8時間とるとすると、1日は16時間です。10日で160時間、100日で1600時間というふうに計算していくと、625日で10000時間になります。

日本語をまったく使わなければ、1年と8カ月で達成する計算です。実際には日本で仕事と生活をしていると100%英語化するのは不可能ですから、この数字にいかに近づけるかが課題になります。