仕事の時間も「英語漬け」にしてしまう

⑤ ノートとメモはすべて英語で書く

会議でノートを取りながら発想も広げていくと、自然に英語の発想が生まれてきます。たとえば、本来、漢字四文字で整理していたこんな表を、4つのPで始まる単語で揃えたくなるのです。

■ 商品戦略 → Product
■ 価格戦略 → Price
■ 流通戦略 → Place
■ 販売戦略 → Promotion

ベン図、ピラミッド図、ワークフロー図など、図を描くのもおすすめです。図を描く行為は、順序、並列、包含、因果などの関係を表現することです。図を言葉で説明すれば、英語学習につながっていきます。

仕事でミスしたら大変な重要事項を英語で書くと緊張感がありますが、今のところは大きな失敗はありません。デジタルでノートを取った後、自動翻訳で日本語化して保存しておくと、使い勝手が高まります。

私は、日本語の会議の内容も英語でメモしています。咄嗟にわからない単語は、ローマ字で書きます。最初のうちは辞書を使って仕事で使う語彙ごいを調べる必要がありますが、数カ月すると基本語彙を獲得して辞書は要らなくなります。

私は、英語で書いたノートやメモを基に、パワーポイントの発表資料、授業資料を英語で作ることが多いです。私の仕事環境では8割は日本人が相手ですが、プレゼンする場合には、英語資料のまま日本語で話してしまうことが多いです。日本語にしないと許されない場合は資料を翻訳します。

資料の翻訳には、DeepLのような自動翻訳を使っています。最近の自動翻訳はまちがうこともありますが、案外、気の利いた訳語を出してくれてうれしくなることがあります。自分が英語で作成した資料を自分で和訳するのはつまらない作業なので、手作業でやっていると億劫になりがちです。おすすめしません。

独り言で「英語で考える癖」をつける

⑥ 英語で考える、独り言を言う

これは、英語学習をしていればだれもが考えることだと思いますが、できそうでできない、難しいことです。コツは、英語でニュースを読んだり、ノートを取る習慣と連動させることです。英語でゼロから考えるのは難しいですが、思考の材料が英語だと始めやすくなります。

英語の独り言思考で私がよくやるのが、トップ3の説明です。

まず、順位をつけたい物事を3つ用意します。The first place is A, the second place is B, the third place is Cと、まず言ってみます。

次に、1位につける形容詞を用意します。たとえば、A is the most interesting ○○と文章を作ります。ここまではかんたんにできると思います。

そして、2位と3位の差を説明します。B is more interesting than C because ……のような比較級と理由の形です。ここで何らかのロジックが必要になってきて、本格的に英語で考えるようになります。

文章が完成したら、文章をつなげて口に出してみましょう。立派なミニプレゼンになっているはずです。

順序と比較ができるようになったら、次は因果関係を考えてみましょう。因果関係を表す言葉は無数にあります。

affect(影響する)
cause(引き起こす)
lead to(つながる)
generate(起こす)
result from(結果として起きる)

など、基本的な動詞だけで数十種類あります。

因果関係を3つくらいつなげてみてください。「風が吹けば桶屋が儲かる」のような文章が出来上がります。深い意味がないものがほとんどでしょうが、稀にその中から絶妙なアイデアが生まれてくるかもしれません。生まれてこなかったとしても、こうしてごにょごにょ考えていることが英語の上達につながります。

そして、類似、事例です。For exampleと言って、主題と似ている物事を列挙してリストを作ります。リストがどういう点で類似しているのかも説明しましょう。単語がわからない時は辞書を使ってもいいですし、面倒な時には日本語をそのままローマ字で代用しておいてもかまいません。何度かローマ字で考えると、ものすごく辞書で調べたくなる時が来ます。その段階が、一発で覚えられるチャンスなのです。

このように、順序と比較、因果関係、類似事例の3つを意識していると、英語で考えるとっかかりがかなりつかみやすくなります。英語学習のためにでっちあげた思考ではなく、生活や仕事の本番で本当に必要な思考に適用することです。

支障がなければ、声に出しましょう。マスクをしている時には、歩きながら小声でぶつぶつ言うのもおすすめです。この習慣が定着すると、英語で夢を見るようになります。