中級者以上には「iKnow!」がおすすめ

私は英語に再入門した最初の2年でiKnow!のほぼ全コースを完了しました。TOEICの得点を伸ばし、英検1級に合格できたのも、iKnow!によるボキャビルのおかげだったと思います。イチオシです。

ただiKnow!は、中級者以上向けが充実していて、若干スパルタ的なところがあります。「もう少し気軽に楽しみながら」という初心者の方には、duolingomikanをおすすめします。どちらも、基本単語をゲーム感覚でマスターしていくことができます。

ちなみに、TOEICを受験する人には、“金のフレーズ”こと『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』(TEX加藤著、朝日新聞出版社刊)、あるいはアプリの「金のフレーズ2」がおすすめです。私が唯一使った紙の単語帳でした。iKnow!のような学習の仕組みは特にないのですが、TOEICのスコアアップに直結する内容であるため、試験用にドーピングをするズルい気持ちで取り組むといいでしょう。

資格試験を活用して学習のモチベーションを上げる

ボキャビルと同時に、TOEICや英検のような資格試験を目指すことをお勧めします。ボキャビルは、そうした資格試験の特効薬でもあるからです。語彙と正比例して、みるみる得点や級が上がるはずです。それがボキャビル継続のインセンティブになります。

私は45歳で英語の再入門を始めて、1年目と2年目はTOEICと英検を真剣に勉強していました。再入門時の私の英語力は、TOEICで600点レベルでした。大卒の平均点といったところです。

私の仕事場では、資格試験はあまり意味がありません。ですから、純粋に自分の英語の能力を測りたくて始めました。普段は大学教員なので試験を出す側で、試験を受けたのはもう何十年も前でしたが、久しぶりの試験に燃えました。毎回の出来に一喜一憂しました。

資格試験を受ける動機は、入試、就職、職場で求められるなど、さまざまだと思います。内容については、実践的だとかそうでないと賛否両論あります。しかし、1年か2年、真剣に向き合うなら、どの試験を選んでも、確実に英語が上達すると思います。

単調になりがちなボキャブラリ・ビルディングに長期間取り組めたのは、資格試験のおかげでした。毎回の結果を見て、うれしい、悔しいと感情が大きく揺れ動きました。家族からもからかわれましたが、これが学習のドライビングフォースになりました。

コミュニケーションと瞬発力を鍛えたいならTOEIC、本や新聞を読んだり文章を書きたいなら英検がおすすめです。それぞれの勉強法をお伝えします。