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役職別、求められる力

3つ目の変化は年功色が崩れたことによる給与格差の拡大である。かつては、入社後は一定の年数を経なければ上の等級に上がれないという年次制限を設けていたが、多くの企業は撤廃し、逆に優秀であれば2ランク上の等級に上がる“飛び級”度を設けているところもある。

大手企業でも入社10年もすると、毎年の人事考課により実力差が歴然としてくる。かつては昇給・昇格においては横並びであった同期だが、今は先頭集団(第一選抜組)と最後尾の社員とでは給与・昇格格差が大きく開くようになっている。

国内市場の成熟化、グローバル競争の加速など経営環境の変化がビジネス・パーソンの昇進にも大きな影響を与えている。その1つが昇進年齢の若返りである。

「入社当時の団子状態から格差が開き、最終的な給与も開くようになる。大企業でもボーナスに差をつける年齢も早くなっている。中小の場合は、大企業ほど過去に縛られないために、入社時の初任給は一緒でも、その後の昇給額は大胆に差をつけるし、ボーナスはさらに差をつけるようになっている」(二宮氏)

大手流通業の人事担当者は「入社後6~7年も経ると、役割やポストで給与が大きく違ってくる。当社の30歳の平均年収は500万円だが、下は店舗の一担当の350万円から上は店長の1000万円を超える社員もいる」と指摘する。

4つ目の変化は女性社員の積極的な管理職登用である。

「電機などあらゆる消費財の利用者の多くは女性であり、女性の視点に立った開発も重要になり、女性の戦力化を図る企業が増えている。実際に課長や部長への登用など女性活用が進んでいる企業ほど業績もよいという調査もある」(二宮氏)

ただ女性社員に関しては産休や育休の問題もある。会社が長期休業後の復帰を認めるだけあって、複数回の産休・育休を取る社員は能力の高い社員が多く、会社としても周囲に不公平感を与えず、産休・育休を取る女性社員をどのように処遇すべきか、頭の痛いところだ。

いずれにせよ、今後、男性優位の“管理職市場”に女性の進出が一層進むことは間違いない。昇進レースは極めて狭き門となりつつある。

※すべて雑誌掲載当時

(小原孝博=撮影)
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