「諦め」を受け入れられないから苦しみが続く
就職も思うようにいかなかったら、さらに“ないものねだり”は加速するでしょう。
受験に失敗して絶望したあと、「第一志望の大学には縁がなかったのだ」「これが今の自分の真の実力だから仕方がない」と、その出来事の意味をとらえなおすことができていれば、苦悩やコンプレックスを抱えることなく、新たな気持ちで充実したキャンパスライフを送ることができたかもしれません。
「諦め」を受け入れたことでそれまで気づいていなかった才能や適性が開花し、希望した会社に就職できていたかもしれません。
恋愛についても同じで、好きな人にフラれて一度絶望しても、それをずるずると引きずらないこと。「もっと自分に合う人、素晴らしい人に会うチャンスが生まれた」と考えましょう。
世の中で「成功者」といわれる人たちは、たいてい人生のどこかで絶望を経験しているものです。そこに希望はないと気づけたからこそ、別の道に希望を見いだし、サクセスロードを歩むことができた。そんなパターンが大半ではないかと思います。
お笑い界のレジェンド・明石家さんまさんは、かつてこんなことをおっしゃられました。
「生きてるだけで丸儲け」
まったくもって、そのとおりです。
プラス思考のかたまりのように見えるさんまさんの生き様は、絶望を感じている人たちにとって、またとないお手本になるのではないでしょうか。
死の絶望を乗り超えた母の心の強さ
死を意識しなければならないような状況に直面し、絶望したときもこの考え方を忘れないようにしていただきたいと思います。例えば、がんになってしまい、ステージ4まで進んでいることが判明し、余命宣告を受けたとしても、下を向かないということです。
がんになったら、誰もが大きなショックを受けるでしょう。でも、まだ死ぬと決まったわけではなく、生きています。みんな、そのことが頭から飛んでしまうんですよね。そこに希望を見いださなければ、残された時間を大事に過ごすことはできないでしょう。
自分の生活習慣を悔やんだり、苦しんだり、悲しんだりしている間にも時間はどんどん過ぎていきます。
それはとてももったいない。限りある時間を有効に使うために、「これからの時間を後悔なく過ごしていこう」という希望を持つことが大切です。
「やりたいことがあったらやってください。行きたいところがあったら行ってください。謝りたい人がいたら早く謝ってください」
私は、病気になられていつお亡くなりになってもおかしくないという状況の方に対しては、こう言うようにしています。