「同一負担」が一人当たりの保険料減額につながる

また、一定時間以下を社会保険の対象外にすることで、事務処理の手間を省く意味もあったと思われるが、今やコンピューターの進化と普及によって、大量のデータ処理・データ管理も容易になり、1時間でも働いた人から社会保険料を徴収して管理することは、そう難しいことではなくなった。

さらに、働く人全員から社会保険料を徴収できれば、一人当たりの保険料自体を引き下げることができるかもしれない。

つまり、「同一労働同一賃金」だけでなく、「同一負担」にすることが重要なのだ。岸田内閣は賃上げとともに、この「年収の壁」の打破に向けて制度変更を行うとの方針を示している。岸田内閣お得意の「掛け声」だけにとどまらず、実効性のある改革にたどり着いてもらいたいものだ。

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