ワゴン車で農村を巡るニセ募金キャラバン

収奪の第二。一般市民を騙して金銭を収奪する。

統一教会は、金銭をかき集めようという要求が、ほかの新宗教と比べてもケタ違いに強い。ノルマを信徒に割りあてる。集金のための活動も組織している。有田芳生『改訂新版 統一教会とは何か』から紹介しよう。

ニセ募金の場合。……信徒数名がチームとなって、ワゴン車で寝泊まりしながらキャラバンで農村を回る。身元を明かさず、適当な慈善募金の名目で、1軒ずつ署名を集めて回る。地図をもとにルートを決める。村外れの家から始め、1000円を寄附してもらえると、あとは横並びで寄附してもらえる。集まった募金は大部分を教団に上納する。自分たちの食費にもあてる。ごく一部は寄附されるかもしれない。信徒は朝から晩まで、ほとんど寝る間もない。

ほかに、珍味販売などのキャラバンもある。その日のノルマに達しないと、夜は繁華街で遅くまで販売を続ける。

霊感商法の場合。……印鑑展や壺・多宝塔の展示会でゲスト(犠牲者)を集め、ビデオ・セミナーのあと霊界を信じるか、貯金の額などを聞き出す。トーカー(霊能師役)、ヨハネ役(先生をあかしする役)、などと手分けをして、ゲストを説得する。先祖の因縁などと言いくるめるのだ。1000万円以上の貯金があるゲストをS客といい、なかには1億円出すゲストもいた。

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「罪を犯した日本が献金するのは当たり前」

収奪の第三。日本から韓国に送金する。

統一教会の活動資金の大部分は、日本から韓国への送金でまかなわれた。最盛期には毎年1000億円。数百億円だった時期も長かった。それらすべては、日本の信徒の献身と、被害者の犠牲によってまかなわれたのである。目標どおりに資金を集められれば、統一教会の専従職員は上司に評価されただろう。

このほか合同結婚式に参加する際にも、50万円とか150万円とかの現金を持参するようにとも言われる。

日本はエバの国だと、『原理講論』に書いてある。だから、献金するのは当たり前なのである。韓国の人びとの歴史認識にも合っている。