潤沢な活動資金を稼ぐ三段ロケット
以上をまとめると、こうなる。
A 信徒の時間とエネルギー(無償労働)
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B 一般市民の金銭を巻き上げる(集金マシン)
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C 韓国へ送金する(送金マシン)
全体は、三段構えのロケットになっている。
第一段(A)は、信徒の無償労働でまかなわれている。ビジネスで言えば、賃金を支払わないのだから、売上げがそのまま収益になる。丸もうけである。第二段(B)は、その燃料(信徒の無償労働)をなるべく効率的に、現金に変換する。それは、一般市民を騙して金銭を巻き上げることだ。第三段(C)は、韓国への送金。送金された潤沢な資金は、統一教会の関連企業に投資されたり、政治工作資金になったり、そのほかの活動資金になったりするのだろう。
ふつうの人が集金マシンの歯車になっている
日本のメディアはしばしば「霊感商法」(だけ)を、統一教会のスキャンダルとして取り上げる。社会常識にも道徳にも反する、と。それはそうだが、霊感商法(B)を、全体の文脈のなかに置いてみなければならない。そもそも霊感商法は、信徒が組織的に行なう活動である。信徒は「正しい」と思って、この活動に従事する。信仰とその世界観が、それを可能にする。
霊感商法の個々の手口が悪質かどうか、が問題なのではない。ふつうの人びとが統一教会の信徒となることで、こうした組織活動(組織犯罪と言ってもよいレヴェルである)に積極的に参加し、この集金マシンの歯車となることのほうがずっと問題だ。
そして、このような集金マシンが日本国内で大量の資金を調達し、それを毎年韓国に送金していること(その一部は、北朝鮮に流れているかもしれないこと)が、ほんとうの問題だ。
かつてこの問題を、当局が調査しようとしたとき、「政治の力」が働いてストップさせた。その「政治の力」(当時の自民党首脳)は、国益と社会正義に害をなすきわめつきの犯罪者だと言わなければならない。