結婚しても自分だけは離婚しないだろうと思ってしまう

わたしたちは往々にしてマイナスなことにフォーカスしてしまうことがありますが、そんなときどうすればいいのでしょうか?

そのヒントの1つが「悲観主義バイアス」の対極にある「楽観主義バイアス(Optimism bias)」にあります(※7)

世の中にはものごとを楽観的に見る人がいますが、じつはどんな人にもこの「楽観主義バイアス」が少なからずそなわっていることがわかっています。

たとえば、わたしたちは平均寿命よりも長生きしたいと思いますが、ほとんどの人が実際以上に長生きできるだろうと思うようです。

また、結婚しても自分だけは離婚しないだろうと思ったり、投資でも自分は大丈夫だろうと思ってしまう傾向があることが報告されています。

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つまり、わたしたちには悲観的になる分野もあれば、楽観的に考えてしまう分野もあります。自分に関係ないどうでもよいことについては、プラスに楽観的にものごとを見ていることもあるようです。

ということは、わたしたちはもともと潜在的にプラスに見られる能力をもっていることを意味しています。

「かも」で「楽観主義バイアス」を味方につける

それでは、楽観的に考えられるようになるにはどうすればいいのでしょうか?

じつはそのために役立つ素晴らしい法則がわかってきました。

それは「わたしたちはものごとがある程度コントロールできる状況にいるときに、楽観主義バイアスが強まる」ということです(※8)

たとえば、車に乗ったときに、いきなり知らない人が運転席に乗ってきて運転されたら、どんな気もちになるでしょうか? かなり怖いと思います。もしかしたら、事故に遭うかもしれません。

でも、自分で運転席に座って運転できたらどうでしょうか。自分で運転できる安心感から、事故は起きないだろうと思います。つまり、自分でコントロールできる状態にすることが、「楽観主義バイアス」を強めるのです。

また、実際にコントロールできない環境でも、コントロールできると思い込むことで「楽観主義バイアス」を高められることもわかっています(※9)

このとき、楽観主義の人がよく使っている言葉が「かも」という言葉です。「成功するかも」「当選するかも」「できるかも」「選ばれるかも」など、実際にコントロールできなくても、思い込むことでこの「楽観主義バイアス」を高めることができます。