30~40%程度電力料金が上がる

実際どの水準まで上がるのかを正確に言い当てることは難しいのだが、2022年のドイツの大口の平均電力料金が30円/kWh弱程度だったので、日本としても今の水準からさらに30~40%程度電力料金が上がることは十分に覚悟せざるを得ないかと思う。家庭では40円/kWhの大台に乗る可能性もある。

宇佐美典也『電力危機』(星海社新書)

これは賃金が上がっていない日本では大きな社会問題になるだろう。特に年金世帯や生活保護世帯にとっては致命的な生活への打撃になりかねず、政治的に大きな課題となることが見込まれる。

ただここでも、実際我々が取れる対策は省エネ、節電ということに限られる。

日々の生活の中で、

・高効率エアコンや、LED電球といった省エネ製品の買い換え
・エアコンよりも省エネになる電気毛布(ひざかけ)や電気カーペットやこたつの利用
・給湯器利用の控え
・カーテンや窓の見直しによる断熱の工夫

といった細かな工夫をする他、一軒家であれば屋根に太陽光パネルを設置するなどの対策を採っていくしかないだろう。時代は厳しい。

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