1月に新型プリウス2.0L HEV仕様が発売された。オーダーが殺到し、実際の納車はかなり先になる見通しだ。来る3月にはPHEV仕様が発売されるといわれる。マーケティング/ブランディングコンサルタントで、戦略プランナーとしてトヨタを担当したこともある山崎明氏は、自身購入を詳細に検討した結果、「購入するならHEV。しかし、“今無理して発注するのは得策ではない”との結論に至った」という――。

新型プリウスPHEVは3月発売予定

トヨタディーラーの営業マンからプリウスのPHEV(プラグインハイブリッド)仕様の受注が始まったという情報が寄せられた。正式な発売は3月らしいが、事前に受注が開始されたという。

私は現在、BMW 118dというクリーンディーゼル車に乗っており、昨年5年目の車検を受けている。走行距離はすでに6万km近くなっているため、次の車検あたりが買い換えのタイミングなのではと考えている。

まだ次の車検まで1年半以上あるが、1月10日に発売された通常のハイブリッド仕様のプリウスが大人気(および半導体不足による生産台数減少の影響)で、納期が1年半に及んでいるということだった。

次の車検までに間に合わせるにはあまりのんきにしていられない。そこで、プリウスの検討を始めてみた。

プリウス 2.0L PHEV プロトタイプ/マスタード
写真提供=トヨタ自動車
プリウス 2.0L PHEV プロトタイプ/マスタード

スポーツカー並みの動力性能

プリウスには1800cc、2000ccのハイブリッド(HEV)、2000ccのHEVをベースとしたPHEVがある。1800cc版は事実上KINTO(サブスクリプション)専用で、新型プリウスの主力は動力性能を高めた2000ccのほうだ。

PHEVのエンジンとモーターは2000ccのHEVと同じものだが、大型バッテリーを搭載しているためシステム出力(ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせた総合出力)でHEVを大きく上回り、0-100km/h加速が6.7秒という、今までのプリウスでは考えられないスポーツカー並みの動力性能を持っている。

2000ccのHEVも従来のプリウスよりかなり高性能である。近距離ではEVモードで走れることもあり、まずはPHEVで検討してみることとした。