「電費」の良さはいかほどか

プリウスは、高性能となったとはいえ燃費の良さが魅力の車である。現在所有のディーゼル車もガソリンより安い軽油で走るためランニングコストは安いが、それをさらにどの程度削減できるかを調べてみた。

PHEVのポイントは、その名(プラグイン)の通り、自宅で充電してその電力である程度の距離を走れることにある。その範囲だけで使えば、ガソリンを一滴も使わずに走れるわけだ。電気にはガソリンのように高い税金がかかっていないから、安く走らせることができるはず、と考えた。

プリウスPHEVのバッテリー容量は13.6kWhで、欧州仕様の場合EVモードでの走行可能距離は69kmと発表されている。日本仕様のデータはまだ発表されていないので欧州仕様のデータで単純計算すると、1kWhの電気で約5.1km走れるということになる。

BEV(バッテリー電気自動車)の日産リーフは60kWhで450km走るので、1kWhあたり7.5km走れる。PHEVはガソリンエンジンも搭載しているので電費的にはBEVに対して不利だ(以下、燃費データはすべてWLTCモード)。

PHEVでも削減できないコスト

私の自宅の電気代を調べたところ、現在は燃料費調整額や再エネ促進賦課金などが加算されて高くなっており、直近の請求書によると1kWhあたり約38円となっている(支払額から基本料金を除いた費用を使用量で割って求めた)。

単純計算では1kmあたり7.5円くらいのコストとなる。もちろん深夜割引料金を使えばもう少し抑えられるかもしれないが、昼間の電気代が上がってしまうので悩ましいところだ。2月からは補助金がつくとはいえ、6月には電気代の約3割値上げとなる見込みである(東京電力の場合)。

今のBMW 118dは、平均で17km/l程度の燃費で、カタログ燃費の16.7km/lを若干上回る結果となっている。私の場合、高速道路での使用が多く、渋滞を走る機会が少ないのも奏功していると考えられる。

軽油は1リットル=128円(1月22日の近所のスタンドの価格)なので、走行1kmあたり7.5円程度のコストで運用できている。つまり、PHEVのEV運用でもコストは削減できないことになる。