PHEVの電力を家庭で使用するには数十万円の追加コスト
補助金がつく理由にはもう1つあり、PHEVにはV2H(Vehicle to Home)という、車にためた電力を家庭用に利用できる機能があるのだ。
電気代が安く、電力需給に余裕のある夜間電力で車に充電し、昼間はその電力で賄えば電気代の節約とピーク時の電力逼迫緩和にも貢献できるというわけだ。災害時など停電の際にも活用できる。
非常に良い機能なのだが、V2Hを利用するためには家屋にもV2H用の設備が必要となる。これにも補助金がつくが、最も安いモデルでも数十万円の設置コストがかかる(神奈川県の場合)。
災害時のことを考えるとあったほうがいいとも思えるが、少々躊躇する金額である。
その「補助金」に本質的な効果はあるのか
PHEVを買ったとしてもガソリン主体で運用してしまい、V2Hも設置しなかったとすると、補助金を出す理由をすべて無視することになるし、燃費が悪い分通常のHEVより多くのCO2を排出することになる。
これは非常に後ろめたいことである。補助金とはいえ税金である。
現状を鑑みると、PHEVにこれだけ多額の補助金を出すのは無意味では、と思ってしまった。ほとんどの人がガソリン主体運用でV2Hは設置しないという選択をするように思うからだ。