替えのきく人材きかない人材か…それが大きな分かれ目

答えは単純明快で、ホリエモンは替えがききませんが、私は替えがきく人材だからです。替えがきく人材は、とにかく交渉力が弱いんです。「イヤだったら断れ派」を貫くためには、次の2つの条件を満たす必要があります。

・ほかの人には真似できないような、高いスキルを持っていること(競争優位性があること)
・そのスキルが、いろいろな職場・会社で必要とされていること(需要があること)

たとえば、あなたがエクセルを使った高度な分析スキルを持っていたとしましょう。

この分析スキルを持っている人は周りにはおらず、あなたの分析のおかげで会社は好調な業績をキープできているとします。この分析スキルを持っている人はほかにいないため「競争優位性がある」といえますし、組織の業績を上げるために必要とされているため「需要がある」といえます。

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この条件がそろっているときに、先輩社員からイヤな仕事を頼まれたときに「イヤです。どうしてもやれというなら、この会社を辞めます」と主張したとします。おそらく、仕事を頼んだ先輩社員は内心「何を生意気な!」とイラっとするでしょう。

しかし、あなたに辞められると、職場に必要不可欠な分析スキルを持つ人間がいなくなり、大いに困ります。だから、先輩社員は強気に出るわけにもいかず、あなたの言い分を飲んでくれる可能性が高まります。

逆に、あなたが高度なスキルを持っておらず「替えのきく人材」だったとしましょう。この状態で、イヤな仕事に対して「イヤです。辞めます」と脅されても、先輩社員や職場は痛くも痒くもありません。なぜなら、あなたの代わりはいくらでもいるからです。何のスキルも持ち合わせていない新入社員時代は、まさにこの状況に当てはまります。