※本稿は、本山裕輔『投資としての読書』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
嫌な仕事は断れ? どんな依頼も断るな?
ある本には「イヤな相手とは戦え」と書いてある。しかし、別の本には「イヤな相手とは戦うな」と記されている。もしくは、「イヤだったら断ればいい」と主張する本もあれば、「どんな依頼も断るな」と言う本もある――このように「本によって言っていることが矛盾しているな」と感じたことがある方は多いのではないでしょうか?
たとえば、「イヤなことは断れ イヤなことでも断るな」について考えてみましょう。
ホリエモンこと堀江貴文氏の本では「イヤだったら断ればいい」「他人の言いなりですごすなんて時間のムダだ」と主張されています。一方で、某体育会系著者が書いた本には「どんな依頼も断るな」「断らないからこそ、相手に信頼され、次の仕事ももらえるのだから」と書かれています。どちらの著者も実績があり、説得力もあるので、両方を読んで「どちらの言い分を信じればいいんだろう?」と途方にくれる方も多いでしょう。
ちなみに、私自身は「イヤだったら断れ派」の主張が気に入っていたので、よく職場でも「その仕事は僕にとってあまり価値が高くないので、お断りします」と言っていました。しかし、その対応をしたところ上司や周りの方々からたくさんのお叱りを受けまして、自分の仕事を思い通りにコントロールすることはできませんでした。
イヤな仕事が目の前にあるときに、なぜホリエモンは断ることができて、私にはそれができないのだろうか?
この疑問を持ったときに、私は再度「どんな依頼も断るな派」の本を読んでみました。彼ら彼女らの言い分を紐解くと、何かヒントが隠されているのでは、と思ったからです。すると、1つの答えが見えてきました。
イヤな仕事が目の前にあるときに、なぜホリエモンは断ることができて、私には断れないのか?