読書をビジネスや人生の役に立つよう血肉化するにはどうしたらいいのか。グロービスに勤務する本山裕輔さんは「読んだ本の感想を聞かれ『すごい本だったよ』で終わる人がいますが、それではあまりにももったいない。『費用で終わる読書』ではなく、何らかの形でアウトプットして『資産になる読書』にしたほうがいい」という――。

※本稿は、本山裕輔『投資としての読書』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

本を開く少女の手元
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費用を資産化できるか否か

これから語る読書術は、「アウトプットありきの独学サイクル」の1つのパーツにすぎません。あくまで大事なのは「独学はアウトプットありき」という考え方です。

このスタンスで「費用で終わる読書、資産になる読書」についてお話します。ここでいう費用とは、すでに使ってしまったお金や時間のことです。

たとえば、パンを作るのに必要な材料(小麦など)のように「1度使ったらおしまい」のもの、それが費用です。一方、資産とは、収益を上げるために継続的に使われるものを意味します。たとえば、工場やその設備のように収益のもととなる商品を継続的に作ってくれる存在です。

この話は次のような事例にも当てはまります。

たとえば、100万円を払ってプログラミング教室に通ったとしましょう。もし、身につけたプログラミングスキルを使って、給料を継続的に稼ぐことができれば、そのスキルは立派な「資産」といえます。逆に、苦労して身につけたプログラミングスキルをまったく使わなければ、「単に出て行ったお金=費用」になってしまいます。

この考え方を読書にも当てはめてみましょう。