好きな物を我慢すると免疫力は低下する

作家・幸田露伴は代表作『五重塔』で知られ、夏目漱石、森鴎外と並び称される明治時代の文豪ですが、食通としても有名でした。

味の好みにうるさく、舌に会わないものを供されると、

「おれは、はきだめではない」

と激怒したエピソードも伝わっています。

なんとも剣呑けんのんな老人のイメージですが、その露伴が次のように話したと伝わっています。

「食べ物というのは、うまいと思って食べれば栄養になる。まずいと思って食べれば決して滋養にはならない」

医者のアドバイスもときには無視して好物を腹いっぱい食べれば、栄養をもらった脳は必ず喜びます。

現在、がんで亡くなる人は日本国内で40万人近く。

一方、脳梗塞による死者数は約12万人。圧倒的にがんで亡くなる人が多いのです。

がんの発症にはさまざまな説がありますが、毎日、体内に発生するがん細胞を撃退する上で、免疫の力は欠かせません。

血圧やコレステロール値が下がっても、好きな物を我慢する生活を続けていたら、免疫力は間違いなく低下します。

写真=iStock.com/Toa55
好きな物を我慢すると免疫力は低下(※写真はイメージです)

検査の値はすべて正常。しかし、生気のない表情をしていてがんになってしまった……。

そんな悲惨な例が決して少なくないのです。